ちきゅうの暮らしかた ERIKO OFFICIAL WEB SITE

スペイン人のサッカー信仰

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

現在定住旅行しているスペイン。たとえパエリアが好きでなくても生活に困ることはないけど、サッカーが好きでなければスペインで暮らすことはままならないだろうと思うほど、サッカーを無視して生きていくのは難しいのがこの国。それほどスペインでは、サッカーは生活の一部となっています。
カトリックの国でありながら日曜日は、教会へ行く人より、サッカーのスタジムへ足を運ぶ人が多いほど。老若男女家族揃ってスタジアムまで歩いていく姿は、まるで巡礼です。また、スペイン人はスタジアムのことを通称”カテドラル”(大聖堂)という呼び方をしたりもします。
ちなみに、スペインではサッカーのことを英語と同じ”Futbol”フットボルというのが一般的ですが、スペイン語では、”Balonpié”バロンピエ=蹴球と言います。

カトリック洗礼より早い、サッカー洗礼


サッカー好きの家庭に子どもができると、まず行われるのがSocio(ソシオ)と呼ばれる、クラブチームメンバーに加入すること。生まれて2、3日後には、すでにソシオになっていることがザラにあります。もちろん子どもは赤ちゃんなので、自分の意思でクラブチームを選ぶのではなく、親が応援しているチームに登録されるのが通常です。カトリックの洗礼を受けるより、はるかに早い登録ですね!

しかし、人気のクラブチームのソシオになるのは大変。人数制限が設けられているので、誰でも入れる訳ではなく、誰かが脱退したり亡くなったりして空きが出たら入会できます。乾選手が活躍する、レアル・ベティスもソシオ会員待ちクラブの一つ。ソシオになるもの一苦労ですね。

ソシオになると、内容はクラブチームによって異なりますが、クラブが施設や運営などを変更する際に、意見を反映するための投票ができる権利がもらえたりします。

こちらは”Carnet”(カルネ)と呼ばれるシーズンパスポート。ソシオになると獲得できる、クラブチームのメンバーIDです。ホームで試合をする時、自分の席をシーズンで購入することができます。これを持っていれば、毎回試合のチケットを買わずとも、自分の応援するチームの試合をいつでも見にいくことができます。(ホームの試合のみ)もちろん席によって値段はバラバラです。また、去年から試合を見に行けない時は、先に連絡をすれば、その回分のチケットとして売ることもできるようになったそうです。

あなたの街にいつでもどこでも”ペーニャ”


こちらはPeñaペーニャと呼ばれる場所。スペイン語で、”愛好家たちの集まり”という意味があります。その名の通り、自分が好きなクラブチームをみんなで応援するバーのような場所です。例えば、私が滞在しているコリア村には、セビージャを本拠地に持つ、レアル・ベティスと、セビージャを応援している人たちがいます。しかし、毎日セビージャまで行って、仲間と試合について飲み語りはできません。そこで活用されるのがペーニャ。ここに来れば、自分が応援するクラブの仲間と試合を見たり、交流、情報交換したりできるのです。ショッピングセンターはなくとも、ペーニャはどんな小さな村にもあると言っていいでしょう。

リーガの試合はTVで見れない

有名クラブには、それぞれの専用TVチャンネルがあり、常に選手の状況や試合状況が伝えられています。スペインへ来たら、リーガの試合がTVで見られるのではないかと楽しみにしていたのですが、大間違い。専用チャンネルも試合が始まると音声のみなり、見られないのです。TVで観戦するには、料金を払って契約しないと見られません。唯一、週に1度だけ、リーガの試合がTVで1試合放送されます。

スペインで唯一!ユニフォームにカタカナと日の丸!


現在、リーガエスパニョーラ3部リーグで活躍しているコリアC.F。彼らの公式ユニフォームの一つには、日本の国旗がモチーフとなり、”コリア”とカタカナで書かれてものがあります。日本人としては、ついつい応援したくなりますよね。


滞在中にコリアの試合を見学させてもらい、なんと、キックオフまでさせて頂きました!なんとも光栄なこと!

果たして熱狂的なファンが多い試合観戦は安全か!?


試合の数時間前からスタジアム前でソシオたちと集い、気分を高める人たち。通称”Peña esquinita”(角のペーニャ)と呼ばれています。


レアル・ベティスとアスレチック・ビルバオの試合を見に行かせて頂きました。今回は、お連れして下さった方が、リーガエスパニョーラ1部のレフリーを長年務めていたホセ・ハポン・セビージャさん(現日本名誉領事)で、特別に”パルコ”というVIP席で観覧させて頂きました。通常スタジアムでは、アルコール摂取が禁止されているのですが、VIP席にはラウンジが設けてあり、バーで好きなお酒を飲むことができる上、食事も出されます。(ラウンジのみ)
私が感じた感想は、スペインのスタジアムは極めて安全でマナーがいいということ。騒ぎますが、物が飛んで来たり、乱闘になったりというのはほぼないようです。


おまけに、、、こちらは私がアルゼンチンで観戦した、”コパ・リベルタドレス”Copa Libertadoresの試合。ボカジュニアースとリーベルという、日韓戦以上の危険な試合を見に行ったわけですが、開始前、煙で全く視界が見えなくなる中、友人に石のような塊が飛んで来て顔が流血。試合中も、敵のリーベルサポーターがいる2階席から唾や汚物が投げられるなど、身の危険を感じた試合でした。
これと比べてはいけませんが、熱狂度は変わらないものの、やはりヨーロッパのスペイン、マナーはとてもいいと思います。