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ここは本当にスペインか!?スペインの辺境バスク地方へ

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。10月なのに全く秋の気配が感じられなったアンダルシア地方から、北部のバスク地方へやってきました。

スペイン国内では、スペイン語だけでなく、カタルーニャ語、アラン語、ガリシア語、バスク語など、自治憲章で定められている二重公用語地域というのがあり、ここバスク地方では、バスク語も公用語になっています。
言語も違う分、地域によって歴史も文化も異なり、スペイン国内の多様性を実感せずにはいられません。特に最初に滞在していたアンダルシア地方の南とバスクの北部では食も文化も大きく異なり、まるで別の国にいるかのようです。


北と南の違いが顕著に分かるスペイン映画 ”Ocho vascos apellidos”

バスク地方とは?

バスク地方は、スペインの北部ピレネー山脈西端に位置しており、ビスケー湾からカンタブリア山脈までの地域を指します。バスク人は、約3000年前からイベリア半島に住んでいたと言われ、ローマ、西ゴート、イスラム教徒らの異民族の半島支配から独立して、その文化と言語を今に伝える稀有な存在です。
世界でも珍しい独立言語の一つ、バスク語が話されていて、スペイン語や周辺諸国の言語とは随分異なります。
”バスク”はバスク語で、”Euskal エウスカル”と言います。

欧州捕鯨発祥地

              Bermeoベルメオ村の旗
バスク地方は、欧州の捕鯨発祥地でもあり、現在でもいくつかも村のシンボルにはクジラが使われています。

                 ベルメオ村にある、捕鯨の物語の壁画

16世紀にバスク人が捕鯨基地として使用していた、”レッドベイのバスク人捕鯨基地”は、カナダ北東部にある、ニューファンドランド・ラブラドール州にあります。現在は、カナダの国定史跡そして、世界遺産に指定され、陸上と海底にその遺跡が残されています。バスク地方にも捕鯨にまつわる博物館がいくつかあります。

山のある暮らし


私がバスク地方で滞在しているのは、ビルバオから東に40kmのところにある、”アバディーニョ”という小さな村です。周囲は神話が語り継がれる切立った山々に囲まれています。

ここで滞在させてもらっている、エロルサさん家族を紹介します。

ナゴレ・エロルサ・カラスコさん
ナゴレさんの名前はバスク語から取られています。バスク地方にある、ナバラという美しい地方の名前から取ったそうです。ちなみに、スペインでは基本的に両親それぞれの苗字を取る習慣があり、2つの姓を名乗るのが一般的ですが、バスク人は伝統的になんと苗字が8つあると言われているんです!両親、ひいおじいちゃん、ひいおばちゃんまで・・・子どもが自分の名前を覚えるだけでも何年もかかりそうですね。

ナゴレさんは、少し前まで乾貴士選手がプレーしていた、現在1部リーグで活躍するサッカークラブのエイバルCFで働いています。数年前までは、家具の買い付けの仕事をしていたそうですが、妹に子どもが出来たことをきかっけに、妹や両親の近くに住みたいと、順風満帆だった仕事を辞めてアルバデーニョに引っ越し、両親が暮らす同じマンションで暮らしています。子育て真っ盛りの時期でもあり、現在は1日5時間だけ働いています。

イラティちゃん
1歳半の娘のイラティちゃん。バスクにある、美しい森の名前から取ったそうです。
ナゴレさんは娘にはバスク語ネイティブになってもらいたと、家ではバスク語で子育てしています。食欲が旺盛で1日中食べ物を手にしていて、既にグルメなバスク人としての頭角を現しています。

フアン・ベルガンサさん
ナゴレさんの旦那さん。バスク人ですが、幼少期の頃はバスク語の学校に通ってなかったため、スペイン語しか話せません。日本のストーブメーカのコロナなどの商品を扱う機械系の会社で働いています。朝は8時前に出かけ、夜は9時頃に帰宅するという、日本人に近いハードなワーキングスタイルです。

近年の若者に多い結婚の形

ナゴレさんとフアンさんは、まだ正式には結婚をしておらず、事実婚という選択をとっています。
「政府に結婚を申請する気も、教会で結婚する意味も感じられないので、結婚という形をとっていませんが、子どものことを考えて、時期をみて結婚する予定でいます。その時は、教会結婚ではなく、役所に申請を出す形を取ろうと思っています」
ナゴレさん自身は無神論者。「娘には大きくなった時に、自分で選択してほしい」とのことで、イラティちゃんは洗礼を受けていません。
主に40歳以下のスペイン人に「宗教は何ですか?」と聞くと、「Ateo(a)無神論者です」と返事が返ってくることが多くありますが、ナゴレさんの宗教に対する考えも、現在のスペインの若者の大多数の意見だと感じます。

週末の過ごし方

ナゴレ家は、アルバデーニョ以外にビルバオの郊外に家を持っています。週末はそちらに滞在し、旦那さんの実家を訪問したり、いとこや友だちと食事をして過ごします。

かつて工業都市として発展し、現在はアートの街と知られる、ビルバオ。こちらは、1893年に作られ世界最古の運搬橋”ビスカヤ橋”。現在でも車や人を乗せて行ったり来たり、フル稼働しています。

バスク人の生活は、もっぱら家族や血縁関係、友達が中心です。「生まれてから死ぬまで移動する距離は遠くて隣の村」と言われるほど、仕事やキャリアアップを図るために、自分が住み慣れた環境から出て行くことをあまり好みません。

バスクでの子どもの言語教育

バスク語話者はバスク地方全人口210万人のうち、28.6%ほどと言われていますが、実際に生活していると、もっともっと多いのでは?と感じます。最近の若い世代は、子どもをバスク語で教育を行う学校に入れるのを希望する親が多く、子どもによってはバスク語しか話せない子もいます。ナゴレさんの娘イラティちゃんは、来年から保育園へ通うのですが、バスク語の保育園に入れること決めているそうです。

バスク人が求める、理想の男性・女性像


スペイン人というというと、情熱的で愛情深く、女性に優しそうなイメージが浮かびますが、ここバスクはどうなのでしょう。バスク人女性たちにどんなパートナーを望むのか、聞いてみました。

最も多かったのが、”たくましくて、強い男性”、”人間としていい人”という意見が一番多かったです。またバスク人女性にとっては、パートナーがお金を持っているか、学歴や仕事の地位の高さなどは相手選びの要素には全くと言っていいほど入らないようです。その理由は、
「この世の中、生きていくのが難しいことばかり。お金や権力を持っていても、それが人生をややこしくすることもある。それより、自分を笑わせてくれる人や、社会でのコミュニケーション能力が高く、人間関係を円滑にしてくれる人の方がいい」のだそうです。
また、バスク人男性は、強さを象徴することに重きをおくせいか、レディーファーストをしたり、女性と手を繋いで歩いたり、触れたりすることは、人の前では一切しません!初めはとても冷たい印象を持ちましたが、バスク人の女性たちもそれを男性に求めてないようです。
また、男性が女性に求めるのは、母親のように器の大きく、包容力のある女性なのだそうです。