世界100家族プロジェクト進行中 ちきゅうの暮らしかた ERIKO OFFICIAL WEB SITE

超閉鎖社会!バスク特有のソーシャルコミュニティ

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。現在定住旅行しているバスク地方は、これまでに数々の支配を受けながらも、独自の文化を守ってきた地域です。「バスク」という表現は、ローマ時代から外部の人たちによってつけられたものです。

「バスク人は生まれてから死ぬまでの移住距離が一番遠くて隣の村」と言われるほど、自分の土地を離れること好まず、バスクで生まれ、バスクの土地に眠るのが一般的です。
その理由はいくつかありますが、他の都市へ行かなくても仕事が十分にあること、バスク人としてのアイデンティティを強く持っていること、コミュニティに属し、その中で生活を送る習慣があることなどが挙げられると思います。

それでは、特殊なバスク社会を詳しく見て行きましょう!

バスク人の印象 

バスク人、特に男性は見た目からしてそうですが、肩幅ががっちりとしていて体格が大きく、強そうなのが印象的です。とにかく”強い男”だ!というアピール感があるのです。
典型的なのが、道を譲らないこと。正面から同じ方向に歩いてきても、ほとんど避けてくれることはありません。笑
バスク地方で滞在を始めた頃、私はいつもの調子で挨拶の時に頬にキスをしたり、軽いボディータッチをしていたのですが、バスク男は毎回硬直して、嫌な顔をするのが印象的でした。男たるもの肌接触は好まない!と言った感じでしょうか。街の中でもカップルが手を繋いで歩いているのを見ることほとんどありません。

そんな強さや男らしさを強調する彼らならではとも言えるスポーツがバスクにはあります。

こちらは、Pelotaペロタという競技。2対2で競う競技で、交互にボールを壁に当て合う競技なのですが、なんと石のように硬い玉を手で跳ね返すのです!私も軟球で挑戦してみたのですが、一発で手に痣が出来てしまいました。。。

こちらは”Cesta Punta”セスタ・プンタと呼ばれる競技。ペロタとルールは一緒ですが、バナナのような形のセスタと呼ばれるグローブをつけて行われます。


またこちらもバスクの伝統スポーツ”Harri-jasotze”アレハツォツァイル。重たい石を肩の高さまで担ぎ上げる競技です。

女性から解放される!食のコミュニティ

さて、強いのは男性だけではありません。バスク社会は母権制(matriarcalismo) と言われるほど、女性の立場が強く発揮されている土地だと言われています。日々、女性に指揮を取られる家庭生活から息抜きをするために存在すると言われている(諸説あります)コミュニティが、”ソシエダ・ガストロノミカ”(Sociedad Gastoronomica)または、”チョコ”(Txoco)と呼ばれるものです。日本語では”美食倶楽部”と言われていますが、ここでは現地で使われている”ソシエダ”と呼ばせて頂きます。
こちらは、サンセバスティアンにある、1927年から存在するソシエダ、”Ilunpe”(イルンぺ)。女性は招待者として中に入ることができますが、キッチンへの立ち入りは禁止されています。

彼らがソシエダで食事をするのはいくつかの理由があります。1つは、自分たちの好きな料理を大きなキッチンを使って作れ、好きな人に振る舞えること。もう一つは、レストランで食べるよりも断然に安上がりだということです。

イルンペの会員メンバー。誰かが亡くなったりすると必然的に早い番号に繰り越されるのだそうで、「いつ自分の順番が来るのだろうか」と感じてしまうのだそう。

あなたなら所属する? 絶対的な絆が結ばれる、仲良しグループ

バスク地方には、”ソシエダ”だけではなく他にもコミュニティが存在します。それが、”クアドリジャ”Cuandrillaと呼ばれるものです。これは一言を言うと、同姓の仲良しグループのようなものです。クアドリジャを結成するきっかけは、同じ学校の同級生であったり、ママ友であったり、大学の友人であったりと様々ですが、バスク人のほぼ全員が必ずと言って良いほどどこかのクアドリジャに属しています。

サンセバスティアンに暮らす、バスク人のアラテさんにその実態を詳しく聞いてみました。(左奥)

「バスク人にとって、クアドリジャに属すのは習慣の一つです。バスク人の生活は、それを中心に生活が繰り広げられるのです。週に一度の食事や、メンバー、その子どもや家族の誕生日などなど、それだけで月に何度も会うことになります。ティーンエイジャーたちのクアドリジャでは、メンバーに新しい彼氏や彼女ができ、紹介するとなるとまるで試験のような緊張感が走ります。笑 私自身、バスク人であり、以前はあるクアドリジャに属していたのですが、いつでも同じメンバーで行動し続けることに閉鎖感を感じ、脱退しました。クアドリジャを脱退する人はほんの一握りなので、私は珍しいタイプだと思います。笑
クアドリジャのいい部分は、何かあった時に親身になって助けてくれる人たちがいるという安心感があるということ。悪い部分は、閉鎖コミュニティの中で世界が回っていくので、視野が非常に狭くなってしまうことでしょう」

バスク人とどうすれば信頼関係が築けるのか?

このように、バスク人は様々な形で個人が何らかのコミュニティに属しており、よそ者がバスク人と新しく人間関係を築こうとするとなかなか入り込みにくい部分があります。
初めましての印象も冷たい感じがしますし、なかなか他人に心を開いてくれずらいのです。ただ、ある一定期間時間を共にし、一度信頼関係が築かれるとそれはとても固いものとなります。私がバスクで滞在した家族もその典型でした。初めは距離がありましたが、今では、本当の家族のように接してくれています。

上記のバスク人のアラテさんと結婚した、ベネスエラ人のアンドレスさんに、現地でバスク人と上手くやっていくコツを聞きました。(写真右)それがこちらの3つです。

1、政治の話をしないこと
2、バスクのものを褒める(食材、食事、文化など)
3、食事に誘って奢り、奢られる関係を作る

昔様々な土地で活躍したバスク人が成功した要因には、この超閉鎖社会やコミュニティの影響があったのではないかと思っています。祖国を離れても、現地でバスク人同士が団結し、助け合ったことで、大きな成果を遂げたのではないでしょうか。