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世界遺産になった長崎・五島列島で訪れるべき場所

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

この7月(2018年)「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されました。長崎・熊本に点在する、潜伏キリシタンの歴史建造物たちが認定されたようです。
世界遺産を周るもの1つの楽しみですが、それ以外にも五島列島にはたくさんの貴重な観光資源が眠っています。私が上五島で特にオススメする、場所をご紹介したいと思います。

頭ケ島天主堂


こちらは世界遺産登録された、頭ケ島にある天主堂です。1919年に建てられた石造りの教会堂です。石柱、石段、石垣に至るまで、五島石が大量に使用されており、崎浦の砂岩による石材業最盛期を象徴する建物でもあります。頭ケ島天主堂は、中通島出身の鉄川与作が10年かけて作った教会。鉄川は死ぬまで仏教徒を貫いた人物でした。


現在、頭ケ島には10人ほどしか人が住んでいませんが、ほぼ全員がカトリック信者です。海辺にある墓地は、ほとんどが伝染病で亡くなられた方のお墓だそうです。

                  Photo:Kotaro Kikuta
海は澄んでいてとても綺麗ですが、観光客は遊泳禁止で、地元も人も泳ぐ人はほとんどいません。この辺りは昔、迫害によって亡くなられた方がたくさんおり、その歴史が影響しているのではないかと思います。

江袋教会

     Photo:Kotaro Kikuta
中通島の北部、江袋集落にある教会です。江袋の開拓の祖は長崎の外海地方、神ノ浦の七右衛門、チエ夫妻だと言われており、1815年~1831年に6家族が住んで居たという記憶が残っています。
昭和30年代には、200人だった集落の人口ですが、現在は36世帯で60人ほどしか住んでいません。
迫害から逃れ生き抜いた信者たちが、村から五島最初の神父になった、島田喜蔵師の司祭叙階を祝福して、17戸の信徒によって建てたのがこの教会であると伝えらえています。
しかし、この教会は平成19年火災に遭ってしまいます。その後、平成22年に修復されました。江袋協会は、現存する県内最古の木造教会です。入った瞬間、家のような温かいぬくもりに包まれます。

若松大浦教会

白い民家風の教会は、一見すると見過ごしてしまいそうになるほど、普通の民家に見えます。昔はこのように民家を改装して、教会として使用していたのがよく分かり、その当時の雰囲気を感じることができます。

祭壇の中央にある木彫りのマリア像は、地元大浦地区の方が制作したもので、西洋の女性というよりも、どことなくふっくらしていて、優しい日本人の母のような顔つきをしています。
聖堂内外は綺麗に管理されていて、歴史と地域の人びとの深い信仰を感じさせてくれます。たくさんの教会を訪れましたが、個人的にこの教会が一番印象に残りました。

希望の聖母像

                                                                 Photo:Kotaro Kikuta
浜串教会から約1km離れた、浜串港の岬で海と漁師の安全を見守っているマリア像。港を出入りする船の安全と豊漁を祈って、1954年に建てられました。遠洋漁業から戻ってきた信徒たちは、家族で感謝のお祈りを捧げるそう。

                            船内に飾られているマリア像
浜串の漁師たちはほとんどがカトリック信者で、ほとんどの船にはマリア様がつまれています。

 

海外のカトリック教会との違い

島の教会巡りをして気がついた、海外のカトリック教会との違いがありました。
1つは、入り口が男性は左から、女性は右から入ると決まっており、御ミサの時なども男性は左、女性は右に着席します。ですので、ほとんどの教会にある聖母マリア様は、入って聖堂正面右側の祭壇に飾られている場合がほとんどです。海外のカトリック教会では、マリア像は祭壇の左側に飾られているので、日本とは反対ですね。

また、御ミサの時、女性は美しい白レースのベールを被ります。これも日本特有なのではないでしょうか。

巡礼手帳を手に入れよう!

長崎港の高速船チケット販売所で購入できる”巡礼手帳セット”。各教会に設置されているスタンプを押せるように作られています。(売り上げは、教会資産を守るため「教会保全協力金」に寄付されます)
五島には教会がたくさんあるため、手帳があるとどこを訪問したか後で見直せますし、島を去った後にはいい思い出になります。

奉納しよう

教会には神社と同じように、お賽銭箱のような、「奉納」と書かれた箱があります。
教会を訪れた際には感謝の気持ちと引き換えに、少しの気持ちを残していきましょう。カトリックの教会に慣れていない日本人には、教会がどんな場所なのかわからない人もたくさんいますが、神社に参拝したときと同じように、気持ちを納めるのも一つのマナー。
教会の外には誰もが利用できるトイレが設置してあったり、たくさんの人が訪れることで起こる老朽化の修理費や維持費など、神聖な教会を維持するにも経費がかかります。
あなたの少しの気持ちが、美しい教会を守ることにつながります^^