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ウンブリア州の小さなイタリア

イタリア第2の定住旅行地は、イタリアの中心部にあるウンブリア州へ。
イタリアへ留学している時は、トスカーナに住んでいましたが、その隣のウンブリア州も見応えがある小さな街が点在しています。

Corciano 中世の街並みが見事に残る、コルチアーノ

ペルージャから西に10kmの場所にあります。コルチアーノはコルチアーノ自治区を中心に、8つの分離集落の行政区画から成り立いる、人口約2万人の小さな村です。
17世紀までは農業が盛んに行われていましたが、それ以降工業が発展し、それをきかっけに人口も増え、経済的な発展を遂げました。

コルチアーノは平和プロジェクトと題して、戦争で敵だった相手の国と、戦後積極的に交流を行ったり、学校の教育制度やバリヤフリー、老人の生活ケアーのシステムなど、様々な点で他の自治体や街のモデルとなっています。

村の見所は、見事に保たれている城壁内の中世の街並みです。30分もあれば周れるほどの規模ですが、度々足を止めてその美しさの中に浸っていたいほどです。

 


ラファエロの師匠であったペルジーノの作品が見られるSanta Maria Assuntaサンタ・マリア・アッスンタ教会は、1800年に再建されたネオクラシック調の教会です。入り口入って左側には、コルチアーノを守るマドンナの絵が飾ってあります。

また、コルチアーノはイタリアの最も美しい村(I borghi più belli d’Italia)に加入されています。

Perugia 世界一深い街?!ペルージャ

ウンブリア州の州都であり、日本人にとては、元サッカー選手の中田英寿さんがプレーしていた場所としても有名な、ペルージャ。現在17万人が暮らすこの街は、様々な時代の歴史の足跡を見ることができるとても興味深い場所です。


イタリアの中部ペルージャは、以前古代エトルリア文明が栄え、その後ローマに征服されましたが、高度な文明を持っていたエトルリア人が作った2000年以上前の城壁や城門、建築と、その上に作られたローマの建築のその両方の歴史の痕跡を街の中に見ることができます。街の縦空間に異なった時代層の遺産を同時に見ることができるのは、ペルージャだけで、この街の最大の魅力でもあります。

また、ここへ来たら是非試してもらいたいのが、”パン”。ペルージャのパンは、イタリアで唯一塩が入っていません。それは、パウロ教皇から過酷な塩の税を課せられたため、塩を使わずにパン作りが行われたという歴史的背景があります。

Assisi サンフランシスコ会の総本山、アッシジ

ウンブリア州の心臓部にある、小さな街ですが、その名は世界中の人に知られています。私も兼ねてから訪れたかった場所で、今回の滞在では予定していなかったのですが、コルチアーノで出会ったCatiaカティアさんという女性が歴史ガイドをしているということで、行く機会に恵まれました。

市壁に囲まれた中世の街並みは、見事に残されていて、修復中で見られないものはほぼありませんでした。UNESCOの世界遺産に指定されている、アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群は言わずと知れた、聖サンフランチェスコが生まれた場所。アメリカ西海岸にある、サン・フランチェスコ、ロス・アンジェルス、サン・ディエゴの名称も、このサン・フランチェスコ会にちなんで名付けられています。

2万人強の人びとが暮らしていますが、その多くはカトリック教会に関連した仕事に従事しています。

私が一番見たかったのは、聖フランチェスコ教会にある、ジョット、チマブエ、シモーネ・マルティーニの壁画。
巨匠ジョットは、ルネッサンスへの先鞭を付けた言わずと知れた偉大な芸術家です。イタリアで美術史を学んでいる時から一度はお目にかかりたかった作品に出会えて鳥肌が立ちました。

個人的には完成されたルネッサンス期の作品よりもこの時期の作家の作品が好きです。
一枚一枚の作品は遠くから見ると小さく見えますが、絵の中に書かれている人物の大きさは実際の人間と同じくらいの大きさがあります。また、教科書で見るよりも作品が鮮やかで、修復がほとんどされていないとは思えないほどの保存状態の良さでした。

私が訪問した、8月11日は聖キアーラの日。たくさんの人がサンタ・キアーラ修道院を訪れていました。

個人的に一番心に残った場所は、この写真のサント・ステファノ教会。質素な作りのこじんまりとしていますが、とても親しみのわく美しい教会です。聖フランチェスコもお祈りをするときはよくこの教会に通っていたそうで、彼が亡くなるときにはこの教会の鐘を鳴らし、天国へ見送ったと言われています。

年中、参拝者の耐えないアッシジですが、5月のカレン・ディ・マッジョと、10月3・4日の聖サンフランチェスコ祭のときには、城壁の入り口辺りから教会までの長蛇の列ができるそうなので、渡航目的に合わせて行く時期を検討するのをオススメします。