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ぼくたちグリーンランドドッグ!


こんにちは!ぼくたちが住んでいるのは、グリーンランドっていう世界で一番北にある島国だよ。ぼくたちはグリーンランドドックっていう種類の犬で、ぼくたちの先祖は5000年ほど前からいた古い歴史を持っているんだ。僕たちの毛はあったかくて、マイナス50度くらいの気温でも耐えられるんだ。筋肉もモリモリで、骨太でからだがじょうぶだから、人間や重たい荷物を乗せたソリを引くのが得意なんだ!

ぼくが住んでいるのは、グリーンランドの西にあるイルリサットって街で、この街にはグリーンランド犬しかいないんだ。その昔(1860~70年代)にぼくたちとは違う種類の犬がやってきたとき病気が広まって、ぼくの先祖がたくさん死んでしまったことがあるんだよ。あとぼくたちの中には喧嘩っ早いのがいて、力が強いぼくたちは簡単にきずけてしまうこともあるからね。
グリーンランドの南西部にシシミウットって町があるんだけど、そこより南はあまり雪が降らない場所で犬ぞりが必要ないので、グリーンランドドッグを飼ってはいけない決まりになっているよ。

ぼくたちは、夏と冬にからだの毛の衣替えをするんだけど、その毛はソリの敷物や冬のズボンとしても使われているよ。


ぼくたちは29匹のグループで生活していて、ちょうど3ヶ月になったばかりのぼくの兄弟は6匹いるよ。いまは自由に歩き回っているけれど、6ヶ月目の誕生日を迎えたら首輪をつけてつながれることになるんだ。


そして3ヶ月目にはぼくの嫌いなワクチンを打たなければならないし、小さなチップを体に埋め込まれるんだ。そうすると人間たちはぼくたちがどの家族の犬なのかをすぐに調べることができるんだよ。


きみの好きな食べ物はなにかな?ぼくたちはアザラシの生肉やタラが大好物!大人は2日に1回しか食べ物を与えられないんだけど、ぼくはまだ子どもだから、毎日ご飯をもらえるんだ。


肉で顔が汚れちゃったら、お母さんがきれいになめてくれるんだよ。


ぼくたちのひいひいおじいちゃんの時代は、この10月の時期には雪がたくさん積もって、海の上をソリで走っていたようだけど、最近は気温が上がってしまったせいで、雪も降らなくなっているんだ。雪が降らないとぼくのお父さんたちはぼくたちを連れて狩りに出られないし、ぼくたちの水やりも大変になるんだ。水をくれても気温が低いからすぐ凍ってしまって飲めなくなってしまうから何回ももらわなきゃいけない。でも雪が降ればぼくたちはその雪を食べて水分補給することができるんだよ。だからお父さんはいつも雪が降るととっても嬉しいそうなんだ。


冬はぼくたちがたくさん活躍する季節で、お父さんが海の氷の上の狩りに出るのを手伝ったり、荷物を運ぶために山を越えたりするんだ。毎年3月の終わり頃には大きなドッグレースがあって、それに出るのがお父さんもぼくたちみんなもとっても楽しみなんだよ! チャンピオンを競うレースは40kmあって、その間ずっと休みなく走る続けるんだ。

◎毎年グリーンランド北部を訪れ、犬ぞりを走らせている山崎哲さんの本です。