ワイン発祥の地、ジョージアのワイン文化
前回、ジョージア3大食品の一つ、お水を紹介しましたが、それに続いてジョージア国民に欠かせない飲み物である、ワインを紹介したいと思います。
8000年の歴史ワイン
ジョージアはワイン発祥地と言われており、約8000年も前からワイン作りが行われていたと言われています。特別なのはその歴史だけではなく、ジョージア人にとってワインは宗教と深く結びついており、ワインを飲む行為は宗教的な儀式の一つとして捉えられています。ですので、乾杯をする時にはお祈りを捧げたり、平和や愛を願って行われるのが一般的です。
ジョージアにキリスト教を広めた聖ニノは、キリスト教を広めた際に、ぶどうの木を髪の毛で結わえて宣教していたと言われており、ジョージアの十字架の左右が下に下がっているのはその時使われていた木の枝の形だと言われています。
また、常に戦いが行われてきたジョージアの土地ですが、どこで息絶えてもぶどうの木が育つように、戦士が戦へ出て行く時にはポケットにぶどうの木の枝を忍ばせていたと言われています。
ジョージア最大のワイナリー、ハレバワイナリーを訪問
1,300ヘクタールの土地でぶどう栽培を行い、世界に向けて良質なワインを輸出しているハレバワイナリーを訪問させてもらいました。ハレバというのは、キリスト教の「受胎告知」という意味です。
1995年から始まったこの若いワイナリーでは、ジョージアでしか取れないサペラビ種(赤)、ルカティテリ種(白)などを始めとする15種類のぶどうからワインが作られ、幾つものワインが海外の大会で金賞を受賞しています。
国内に10店舗のワインショップも展開され、今後は日本へも輸出される予定です。
伝統的なぶどうを踏み潰す”ダチクレトゥヴァ”
私が訪問したのは、ちょうどぶどうの収穫時期で、収穫のお手伝いをさせてもらいました。枝は思ったよりも柔く、簡単に切れますが、ぶどうの粒が枝に絡まっていたりして、粒がボロボロと地面に落ちてしまったりして、なかなかコツが必要。
フルーツの中では、ぶどうとキウイが一番好きな私ですが、このワイン用のぶどうは私たちが普段食べているぶどうより糖分が低く、酸味が強いので、食べるのはあまり適していません。フルーツとして食べる用のぶどうは、”テーブルグレープ”と言われています。
みんなで収穫したぶどうは、ジョージアの伝統的なぶどうを絞る道具”サツナヘリ”へ入れて、踏ませてもらいました。ぶどうの粒が弾ける感覚はクセになりそう!搾りたてのぶどうジュースは、とびきり美味しかったです。
ジョージアのお菓子チュチュヘラとパン作りにチャレンジ!
ワイナリーの方のご厚意で、ジョージアのを代表するお菓子”チュチュヘラ”を作らせて頂きました。よく街で見かけていたものの、どうやって作っているのかとても不思議だったのですが、意外とシンプル!
ナッツをヒモに通して、ぶどうジュースを煮詰めてキャラメル状になったところへ入れて、天日干しにし乾かすだけ。ジョージアのスニカーズの完成です。
乾燥には1週間ほどくらいかかるのだそうですが、その後は何年も保存が効くそうです。
こちらはジョージアの伝統的なパン。スーパーへ行ってもこの釜で焼かれているパンが売られているほど、全てのジョージアが食べているパンです。
表面がカリカリしていて、少し硬いですが、どんな食事にも合うパンです。1つの大きさは両手を広げたくらいの大きさがあり、1つ食べただけでもお腹いっぱいになります。
パン作りに挑戦させてもらいましたが、見た目以上にとっても難しく、ペタッと貼り付けた後、手の甲で少しずつ伸ばしていくのですが、これが至難の技。結局私が作ったのは張り付かずにおじゃんになってしましました。。。
クヴェヴリの開封セレモニー
ジョージアワインは、ソ連時代に政府が作り方を規制するまで、クヴェヴリと呼ばれる特殊な壺で作られていました。最近になって、またクヴェヴリ製法で作るワイナリーが増えてきたそうです。
クヴェヴリにぶどうを入れて2週間後に、一度開けて味を確認する作業が行われるのですが、とても神聖な儀式とされています。今回、たまたまその瞬間に立ち会うことができ、その最初の一杯を飲ませて頂きました。このワインを飲んだ人は、健康に恵まれるとのこと。先日お腹を壊して病院へ運ばれた私は、健康の大切を噛み締めていたばかり。
また、儀式が行われている間は、自然の恵みに感謝する歌が捧げられます。
ワイナリー内には素敵なレストランもあり、ワイナリーを眺めながら、ジョージア料理も満喫できます。
協力:ハレバワイナリー
日本で購入出来るジョージアワインはこちらから