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観光では知れない、キューバ人の日常生活

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

キューバは世界でも数少ない社会主義体制をとっている国です。長年国の指導者であった、フィデル・カストロが2017年に死去し、現在は弟のラウル・カストロが議長を務めています。社会主義の国では、お金を持つことに興味を持たせない、みんなが平等、競争しないという理想を掲げています。私たちのような資本主義社会とでは仕組み異なるため、驚くような日常生活の違いに遭遇することがたくさんあります。

食料が無料?!食料配給制度

キューバ人の現在の平均的な給料は、月20ドル〜25ドル。日本円にすると、2500円前後です。私が2年前にキューバへ来た時より少し上がっていますが、世界の水準と比べるととても低いですよね。それで生活が成り立つの?と思った方も多いと思いますが、キューバには、様々な社会保障があります。無償の教育(高校や大学も無料)や医療制度などがあり、その中の一つに食料配給制度があります。
各家庭にリブレッタと呼ばれる配給手帳が配られ、指定されている食料は無料で受け取ることができます。卵、パン、油、豆、小麦粉、米、パスタ、コーヒーなどがありますが、実際配給だけでは食料を賄うことは難しく、足りないもや、魚や肉(鶏肉はたまに配給されます)などを食べたい時には購入しなければなりません。
しかし、だからと言ってお店に行って欲しい品物があるかといえばそうでもなく、流通してない物も多いので、在庫のあるお店を探すのにも一苦労です。

滞在中、牛乳が足りなくなって近所のお店を回っていたのですが、どこも品切れで、結局2時間以上人に聞き込みをしたりして探し回り手に入れることができました。気温30度の暑さの中、家に戻ってくるともうクタクタでした。こんな毎日を送っているかと思うと、キューバ人は本当にタフです。これは牛乳に限らず、他の品物に関してもそうです。キューバで日々”食べていくこと”は、経済的なことも含めて非常に困難を強いられるものです。

インターネットが自由に使えない

インターネットの使用も限られています。観光客はホテルなどで専用のカードを購入してインターネットを利用することができますが、一般家庭にはwi-fiのようなものはありません。ただし、最近になって、企業で働くある程度の役職がある人の家には、インターネット回線が設置されるようになりましたが、速度が遅すぎるため、レンタルネット(レンタはスペイン語で遅いの意味)と呼ばれています・・・
日本では、「デジタルデトックス」なんて言葉もありますが、キューバはそれをするにはもってこいの環境です!

水道の設備もあまり良くなく、シャワーの水が出なかったり、トイレの水が流れにくかったりします。(トレイの紙は流せません)私もシャワーの途中でタンクの中の水がなくなり、お湯や水が止まって出なくなった経験は何度もありますが、そんなことで困っていてはキューバで生活なんてできません。そんな時は、キューバ人のようにそれをネタにして笑いを取るのが一番賢い方法です。

民間の人たちに信仰されている宗教

社会主義国のキューバでは、もともと宗教の信仰はあった国ですが、社会主義となってから、宗教の信仰が禁じられました。信仰を表す表現をしたした者や、同性愛者などは、UMAPと呼ばれる収容所に入れ、仕事を没収されていました。

そんなキューバに大きな転機をもたらしたのが、1998年に当時のローマ法皇であったフアン・パブロ二世がキューバを訪れ、フィデル・カストロと対話したことです。それ以降、カトリックへの信仰が公に認められるようになり、女性に対する死刑法の適応がなくなるなど、法皇の訪問は、国民の精神生活に大きな変化を与えました。昔はクリスマスもイースターも全く祝わなかったキューバ国民では、現在ではクリスマスを家族と祝ったりするイベントも行われています。


また、多くのキューバ人の信仰する宗教に、サンテリア(ヨルバ)があります。アフロブラジルのカンドンブレという宗教に類似していますが、アフリカ持ち込まれた宗教にカトリックが融合したものです。
信仰している人の家庭には、祭壇があり、自分のサント(聖人)を祀って、Espiritistaエスピリティスタ(霊媒師)の指示通りの生活を送ります。人ぞれぞれに、口にしはいけないものや、触れてはいけないものなどもあります。また、サンテリアでよく使用される卵の殻をすりつぶして粉末にしたものは、日本でいう塩のような、身や場所を清める働きがあり、祭壇に備えてあるものの一つです。

キューバの街を歩いていると、全身真っ白い服に身を包んだ人をよく見かけます。彼らはサンテリアの修行僧で、むやみに声をかけたり、触れたりしてはいけません。修行の間は、外出する際も付き添いの人と出かけるか、人形を抱いて身を守ります。また、キューバでは火葬が認められていますが、(フィデル・カストロ議長も火葬でした)サンテリアの信者は、火葬をすると、魂を燃やしてしまうことになるので、火葬はできないそうです。

キューバの少し不便で、変わった日常をご紹介しました。キューバでの生活は、大変なことがたくさんあり、トラブルも日常茶飯事ですが、困ったことは近所の人たちで助け合ったり、道ですれ違う度に情報交換をしたりして、コミュニケーションをたくさん取るのが当たり前です。日本のように挨拶もしなかったり、同じマンションに誰が住んでいるか知らないというようなことはあり得ません。不便だけど、誰も寂しくない国、それがキューバではないかと思います。