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カッパドキア 空中さんぽ

こんにちは、定住旅行家のERIKOです。トルコ中央部にあるネヴシェヒル県(カッパドキア)ウチヒサル村に定住しています。トルコ全土には19箇所の世界遺産があり、この地域も「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」として登録されています。去年2022年には4月~6月で30万人が世界中から訪れました。

カッパドキアはその珍しい地形から、文化遺産と自然遺産の両方に登録されている稀有な土地です。気の遠くなる昔から火山灰に覆われた岩を削って、人びとは暮らしを営んできました。アッシリアの交易都市、初期キリスト教徒の隠れ家、様々な時代に多様な形であり続けたこの土地を、気球に乗って見下ろすのは格別な体験です。

外国人によってもたらされた気球アイデア

カッパドキアの名物である気球は、1989年この地を訪れたスエーデン人のカップルが小型の気球を飛ばしたのがきっかけでした。この土地を気に入った彼らは、友人や地元の人と気球を飛ばし始めます。そして1991年に会社を設立し、観光客向けに飛行を開始。今や世界中からこの素晴らしい体験を求めてやってくるようになりました。
現在カッパドキアには27の気球会社があり、1日最高で165機が飛行しています。私が滞在した6月中旬から7月上旬は天候も良く、毎日気球が飛んでいました。


滞在しているトゥルケ家が経営するホテルからも、たくさんの気球が飛んでいる様子を見ることができました。

カッパドキアを空中散歩


夜明け前の4時、送迎バスで気球が出発する場所まで向かいます。この時期、日中は30℃以上の暑さになりますが、朝晩は10℃ほどしかなく結構冷え込みました。ファンを使って球皮を膨らませ、準備ができたらカゴに乗り込んで飛行します。


地上から見ている時は素敵だなと思っていたのですが、いざ乗車してみるとシートベルトも、身体を固定するものもなくただカゴに乗っているだけなので、いくら高いところが好きな私とはいえ少し恐怖を感じました。


パイロットは、高度やバスケットの向きを変えることはできるようですが、飛行する方角を操縦することはできないそうで、自分が乗った気球が運んでいくところへ行くというまさに気ままな空中散歩です。最高で800m地点まで行くことができ、最低では1mくらいまで下がったこともありました。


上昇しはじめてすぐ、東の方から太陽があがり、カッパドキアの大地を赤く照らしました。絶景という言葉が尖って感じられるくらい、何かに包まれているようなほっこりとした温かい景色でした。風もなく、静かで、気球がときどき出すガスバーナーの音だけが広い空に響いていました。
ちょうどこの時同乗していたスペイン人のカップルの男性が、彼女にプロポーズ。気球の上で新たな夫婦が誕生しました!ちなみにカッパドキアプロポーズをするのは一つのトレンドになっており、サプライズプロポーズのさまざまなプランが用意されています。


私が乗った気球は一番安いプランで約20人乗りで230ユーロでしたが、10数名乗りだと300ユーロ近くするようです。全く窮屈な感じはしなかったので、20人乗りで十分だと思いました。
平均月収約6~8万円のトルコ人からすると、とてもレジャーで乗れるものではなく、乗車していたのはヨーロッパ人かアジア人ばかりでした。

気球は雨のシーズンが終わる6月末ごろからピークを迎えるようで、冬でも風や雨が降らなければ飛んでいるようです。カッパドキアの白い大地を飛行するのも素敵ですね!