当たり前が非日常、零下40度のサハ共和国ヤクーツクの日常生活
当たり前が当たり前でなくなる世界
こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。
ヤクーツクで生活していると、彼らの日常に、ちょっと待って!とツッコミたくなることがたくさんあります。
処変わればですが、人間は環境によって生活の仕方がこうも違うのだと考えさせられることばかりです。
では、ヤクーツクで私が感じる、非常識な常識を見ていきましょう。
ヤクーツクの常識 その1
「冬場、車のエンジンは基本つけっぱなし」
駐車場に停まっている車を見ると、誰も乗っていないのにエンジンがついています。そう、この極寒地(平均気温-40℃)では、一度エンジンを切ってしまうと、凍ってしまいかからなくなってしまうのです。なので、家のガレージに入れている以外の時は、ずっとつけっぱなしが基本です。
車を所有している多くの人は、夏の間だけ使用して、冬場はバスなどの公共交通機関を利用しています。ガソリン代がかかるのと(現在1ℓ=約1ドル)、ガレージを持っていないと使わない時に保管ができないからです。
冬場に車を運転している人は比較的富裕層が多いということになります。
ヤクーツクの常識 その2
「市場は天然冷凍庫」
ヤクーツクの街の中心部には、魚市場があり、魚屋が連なっています。ここまでは、どこの国でもあり得ることですが、ヤクーツクの魚市場がスペシャルなのは、冷凍庫がないことです。
気温が-40℃もあれば、外全体が立派な天然の冷凍庫。魚は横に並んでいるのが普通ですが、ここではステッィクのように立てて陳列してあります。
魚市場を歩いていると、今度はお肉屋さんや冷凍野菜を売っている店までありました。ここではうさぎの肉もよく食べますが、白い毛皮を着た冷凍うさぎちゃんまで販売しています。
また、それ以上に驚きなのが、ここで働いている人たちです。毎日朝10時〜午後5時まで店の前に立って魚を売っているんです。
「寒くないですか?」と聞くと、「今日はあったかいね!-35℃しかないから!」と言われてしまいました。
ヤクーツクの常識 その3
「遺体も永久保存?」
ヤクーツクは世界最大の永久凍土の上に建てられた都市。地表から200メートル下まで、地層が凍りついています。
夏場は1.5mくらいまで溶けますが、冬にはまた凍っての繰り返しです。
人間には誰でも死が訪れますが、ここではおかんも永久凍土へ埋めることになります。そのため、地面に埋めても通常腐敗して骨になるはずが、そのままの姿で保存されてしまう可能性も。
ヤクーツクの常識 その4
「いくら気温が下がっても犬の散歩は欠かせない!」
ロシア人は無類のペット好き。多くの人が犬や猫を飼っていますが、猫はまだしも犬は毎日散歩をさせなければいけません。ペットを飼っている皆さんは、寒い日や雨の日などはどうしていますか?
ヤクーツクでは、-40℃でも当たり前のように犬を散歩させています。ここでよく見かけるのは、あったかそうな毛がもふもふ生えたヤクーチアン・ライカやシベリアン・ハスキーなどの種類の犬たち。
街では寒さに関係なくみんな当たり前のように散歩をしています。
ヤクーツクの常識 その5
「屋内で煙草が吸えない!」
2013年ロシアではホテルの客室を含め、受動喫煙防止法が施行され、屋内の公共の場では喫煙は禁止とされました。
そのため、タバコが吸えるのは自宅か外しかありません。道端で女性同士が肩を寄せ合い寒そうにタバコを吸う姿は、そこまでしても吸わなければいけない信念さえ感じられます。
ヤクーツクの常識 その6
「では、ヤクーツクの人は零下何度から寒いと感じるのか?」
彼らは一体、何度以下になれば「今日は寒い!」と感じるのでしょうか?何人もの地元の方に聞き取りをしてみたところ、40℃〜43℃以下になると、寒い日だと感じるというのが一番多い答えでした。
私も初めは、ウラジオストクの-15℃にかなり怯えていましたが、今では-25℃くらいだと、楽勝!と言った気分になります。自分がもともと持っている力は、挑戦することでしか分からないのかもしれませんね。