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世界一寒い土地の仕事とオイミヤコンあるある

 

家族のお母さんエレノーラさんの仕事

オイミヤコン村で滞在している家族の日常を見ていきたいと思います。

お母さんのエレノーラさんは、家から徒歩5分にある、村唯一の病院(クリニック)で働いています。出勤形態は、24時間働いて、3日休み。もちろん家から歩いていきます。

この日は気温-50℃。全身毛皮に身を包んでいざ出勤です。

 

このクリニックでは、16人の人たちが働いていますが、残念ながらお医者さんは一人もいません。重病患者や緊急で医師に診てもらうためには、ここから2時間のトムトル村まで行く必要があります。
ちなみにオイミヤコン村にはガソリンスタンドもないので、給油もトムトル村でします。
患者さんは1日に10人前後来るそうで、冬の寒い時期は自宅へ往診に伺っているのだそう。

「大変なことは何ですか?」と訊くと、
「ドクターがいないので、重病人や妊婦さんをすぐに診てあげることができないことです。救急車もこの寒さでは使えないので、緊急時でもタクシーで約20時間以上かけて、ヤクーツクの病院に運ぶんです」

これだけ気温が下がる土地だと、移動などにも問題が出てきますね。

「でも、冬の時期は寒くてウイルスが活動しないので、風邪や感染症がほとんどないので、それはとてもいいことですね」

確かに、オイミヤコン村で風邪を引くという話は滞在中一度も耳にしませんでした。

 オイミヤコン日常あるある① 床が平らでない

みなさん、突然ですが、自分の家の床が平行でなかったらどう感じると思いますか?

実はオイミヤコン村には、平らな床の家なんて1つもないんです。
その理由は、この永久凍土。ヤクートの土地は溶けない氷の上に色んな建造物が建てられています。
この永久凍土は夏に数メートル溶け、冬にまた凍るというのを繰り返しているので、地面が変形するのです。

家族曰く、冬には歪みが一層出てくるとのこと。しかし、彼らにとっては凹凸の床も当たり前のことなので、何も気にしていない様子でした。

オイミヤコンあるある② 水道がない

生命のライフライン、水道。なんとこの村には水道管というものがありません。毎週金曜日に水タンカーが家を訪問し、配給に来てくれます。それを溜めておいて、料理や生活用水などに使用しています。

洗い物などは、たらいに水を溜めてその中で済ませます。多分洗剤や汚れなどは完全に落ちきってないと思われますが、死にはしないでしょう。笑

 オイミヤコンあるある③ 洗濯物は外で乾かす

次に洗濯です。洗濯機はありますが、水を大量に消費してしまうため、手洗いが基本です。
洗った後は、なんと外干し!この日は-52℃でしたので、干した瞬間にパリッパリに!

一体、こんなんで衣類は壊れてしまわないか不安でしたが、近所の方もみんな外干しが基本のようです。

そして3、4時間外で干した後は、家の中に移して冷たさを取って完了です。
初めから屋内で干した方が乾きが早いのでは?と思ったのですが、家族曰く、「太陽の光に少しでも当てた方が臭くない」のだそう。確かに仕上がりは新鮮な香りがしました。

 オイミヤコンあるある④ お風呂は基本入らない

続いてはお風呂。家の中にはシャワーやお風呂はなく、これまた外にあります。
“バーニャ”というロシアではダッチャ(別荘)などや大衆浴場にありますが、いわゆるサウナです。ただ、これも-30℃くらいの温かい日でなければ、非常に危険ということで、私の滞在中(1週間)はお風呂お預けでした・・・

いかがでしたでしょうか?
寒さによって、当たり前に行っていることがこうも変わるのは面白いことですね。