1日5食のポルトガル食事情(マデイラ島)
こんにちは、定住旅行家のERIKOです。ポルトガルのマデイラ島にて定住旅行をしています。ポルトガルへ来る前、周囲の人たちに渡航することを伝えると、多くの人から「おいしそう!」という言葉が返ってきました。それくらいポルトガル料理=美味しいイメージがあるかと驚きました。実際ポルトガルへ来てみると、噂で聞いていた通り、現地の食生活はとても豊かで美味なものがたくさんあります。今回はポルトガル南西部のマデイラ島での食事について紹介したいと思います。
1日5食のポルトガル人
これまでに定住した国で食事の回数が最も多かったのは、アルゼンチン(他南米諸国)、スペインでその数は4回でした。それを上回る国なんてないと思っていましたが、世界は広いです。なんとポルトガルでは1日5食も食べるのです。家庭によって時間がまちまちだそうですが、私が滞在している家族の1日の食事はこのような感じです。
①8:00 朝ごはん( Pequeno-almoço )
②10:00 朝ごはん2回目 (Lanche da manhã )
③12:30 お昼ごはん (Almoço )
④15:00 夕方の (Lanche da tarde )
⑤20:00 夕食 (Jantar)
これを見る限り、睡眠時間以外は、約2~3時間毎に何かを食べているということになります。お腹が空くから食べるというより、これらの食事時間を設けることで、食べること以外にも、休憩やリラックスする時間を意図的につくっている印象を受けます。
地元の食材・オーガニックの製品を選ぶ
オーガニック食材を販売する農協のようなお店
滞在先の家族、アンドレイアさんが日頃食材を調達するのは、主にマデイラ島で採れた野菜や果物を取り扱うオーガニック食材店やマーケット。数年前までは島にオーガニック食材を販売している店はなかったようですが、最近は少し増え始めているようです。
こちらは自治首都のフンシャルにある、観光スポットの一つにもなっているラブラドーレスマーケット。魚市場と野菜、フルーツ市場に分かれており、大西洋で採れる珍しい魚や、カラフルな野菜・フルーツが陳列されていて、見ているだけでも多彩色に元気づけらます。地元の人がこのマーケットへ行くのは、農家の人たちが直接新鮮な野菜などを売りに来る金曜と土曜のみ。マーケットは1階と2階部分に分かれていますが、2階は観光客用で下の階と同じものが売られていますが、値段は倍くらいの差があります。
マデイラ島で獲れるにんじんは短くて太いのが特徴
フィッシュマーケットには見たことのない珍しい魚も。こちらは「Espada preta エシュパーダ・プレタ」(太刀魚)。現地ではよくフライにして食べていました。
マーケット周辺には、古くからある雑貨屋や香辛料の店が並んでいます。昔はショッピングモールなどがなかったため、マーケットで買い物をするついでに、このような小さな店で日用品を買っていたのだそうです。
香辛料を計り売りしてくれるお店。アンドレイアさんがよく料理に使っているMistura Especiariasという多種のスパイスをオリジナルブレンドした調味料と新鮮なフェンネルを買いました!
シュラスコの原型がここに!
皆さんは、ブラジル料理を代表する「シュラスコ」をご存知でしょうか?串焼き肉BBQのようなもので、日本にもレストランがいくつかあります。実はこのシュラスコの元祖が、こちらのマデイラ島の伝統料理「シュペターダ」なのです。
串は金属ではなく、島にたくさん生殖しているローリエの木の枝の表面を少しだけ削ったものを使用します。ぶつ切りにした牛肉をその枝に刺して火で焼くと、お肉にはローリエの香りと味がほんのりついて、肉の旨味が引き立ちます。(写真はマグロバージョンです)
ポルトガル料理は料理をシェアーせず、それぞれのプレートの料理を食べるスタイルですが、このシュペターダはシェアーして食べるのが基本です。
マデイラ島の家庭料理Milho Cozido ミロコシード
Milho Cozido ミロコシードは、とうもろこしの粉を長時間鍋で調理して作る伝統的な料理です。安価な材料と、わずかな食材作れ、腹持ちの良い食べ物であることから、元々は貧しい人の料理とされていました。現在では、日曜のお昼ご飯に家族と食べる料理です。
暑い暖炉で最低でも2時間以上は、ミロをかき混ぜなくてはならないため、体力勝負の料理です。
マデイラのみ食べられるパン Bolo do caco ボーロ・ド・カコ
Boloボーロはポルトガル語で「ケーキ」を表す言葉ですが、ボーロ・ド・カコはパンの一種です。ふっくら焼き上げた丸いパンの間に、ガーリックバターが塗られています。マデイラに元々存在していたパンに、アラブの影響を受けて出来上がったパンだと言われていて、マデイラ島でのみ食べることができます。パンの食感は表面はサクッとしていて、ガーリックが塗られている部分はしっとりしています。料理に合わせて食べるものですが、これだけでもいくらでも食べれそうなほど美味です。
醤油以上?どんな料理にでもかけるオリーブオイル
隣国のスペインには敵いませんが、ポルトガルでもオリーブオイルを生産しています。その生産量は世界全体の約3%。調理に使われるのはもちろん、まるで日本人が醤油を色々な食材にかけるかのごとく、ポルトガル人はオリーブオイルをどんな食事にもかけます。
熱とるキャベツに青あざ防止のオリーブオイル
マデイラ島では、「キャベツは熱を取ってくれる野菜」という認識があるそうで、発熱した時など、キャベツひと玉をお腹に置くと、早く熱が下がるのだそうです。
アンドレイアさんがマリアちゃんを出産した後、乳腺炎にかかり腫れて大変だったのだそうですが、その時にもお母さんが病室にキャベツを持ってきて、乳房に当てていたらすっかり腫れが治ったのだそう。その時のキャベツは熱を吸って、クタクタになったようですが。
ポルトガル料理に欠かせないオリーブオイルも応急処置として使われる食材の一つです。転んだ時や、体をどこかにぶつけたりして、青あざができそうになったとき、打った直後にオリーブオイルを少量を塗ると、青あざができないのだそうです。
私も試してみようと思いますが、ぜひ機会があれば皆さんも試してみてください!
◎「ポルトガルを食べる旅」馬田草織
レストランだけでなく、現地の家庭で食べられたポルトガルの食事やスイーツのエピソードがたくさん載っています。