マデイラ島の子どもたち
こんにちは、定住旅行家のERIKOです。現在定住旅行してるポルトガルでは出生率が1960年代にピークを迎え、2019年には1.42(女性一人当たり)と年々下がり続けている傾向にあるようです。
マデイラ島で滞在している家族にはマリアちゃんという一人娘がいます。彼らの暮らしの中で見えてきた、子どもたちの生活、子育て、教育の様子を見ていきたいと思います。
マデイラ島の家族アンドレイアさんとジュリオさんの娘マリアちゃんは現在9歳。日本でいうと小学校4年生に当たります。
彼らは仕事一筋の人生を送り、子どもを持つプランを持っていなかったようですが、マリアちゃんを授かったことをきっかけにアンドレイアさんの実家でもあるマデイラ島にUターンし、子育てと仕事を両立しながら暮らしています。マリアちゃんは一人っ子で大人に囲まれて生活しているせいか、考え方がとてもしっかりしていて、話しているとついつい子どもであることを忘れてしまいそうになるほどです。
収入は子どもの教育にプライオリティを
ポルトガルの義務教育期間は6歳~18歳。マデイラ島には公立校、インターナショナルスクールなど様々な種類の学校があり、親の教育方針や経済状況によって学校が決められるのが一般的だそうです。マリアちゃんが通うのはインターナショナルスクール。学校では英語とポルトガル語で授業が行われます。8時から授業が始まり、17:30に学校が終わります。通学は両親の送り迎えが基本ですが、10歳以降で家が近い子は一人で登下校する子もいるようです。
マリアちゃんの学校「The International School of Madeira」を訪問させてもらいました。全校生徒72人。マデイラ島は海外からの移住者も多く、生徒たちも多国籍。女の子の間では折り紙が流行っているようで、プレゼントしたらとっても喜んでくれました。
マデイラでは家族の収入が増えると真っ先に当てられるのは教育費なのだそうです。親は子どもにいい教育を与え、人生に少しでも多くの機会に恵まれるように望んでいるようです。
習い事は週4日
両親が共働きのため、マリアちゃんは学校が終わると、離れに暮らすおばあちゃんや同級生のクララちゃんと過ごしています。彼女たちはハリポッター、ミニオンズのカード集め、おりがみ、Googleアシスタントを使ってよく遊んでいました。
マデイラ島で近年人気のある中国語教室
一週間のうち2日は体操教室、2日は中国語のクラスに通っています。習い事というと、日本では子どもの才能を伸ばすきかっけや、社会性を身につける場所というイメージがありますが、マデイラでは子どもが楽しい時間を過ごすことが一番重要視されます。女の子に人気なのはバレエと体操、男の子はサッカー、そしてホッケーも人気があるようです。
マリアちゃんの体操教室を見学させてもらいました。普段は親などがクラスを見ることはできないのだそう。その理由は、先生が厳しくできないため、子どもの意識が散漫になるからだそうです。確かにその通りかもしれません。
習い事が終わった後、家での宿題は両親は手伝わず、マリアちゃんは一人でこなします。
マリアちゃんのナイトルーティーン
ポルトガルでは一般的に子どもと親の寝室は別々
マリアちゃんが就寝前に必ずやることが読書です。幼い頃から絵本が好きだったそうですが、数年前に家族旅行でロンドンへ行ったとき、素敵な本屋に行ったことがきかっけで読書に目覚めたのだそう。毎週土曜日に開催される地域の読み聞かせの会に参加し、その度に図書館で本を借りて読んでいます。
「A minha do mar」こちらの本はポルトガルで多くの子どもたちに読まれている絵本。ポルトガル語特有の言葉、”サウダーデ”と呼ばれる”郷愁”の感情をこの絵本の中で知ることができます。
誠実さ、礼儀正しさをしつける
マデイラでの子どものしつけで大事にされているのは、誠実さ、礼儀正しさだそうです。人に対して嘘をつかないこと、正直でいることを幼少期に学ぶことは何にもまして大切だと多くの子どもの親が話していました。
両親も忙しい日々を送っていますが、マリアちゃんも小学生にしては遅い時間まで学校で学び、週のほとんどは習いごとをしていて、夜はヘトヘトになっていることが多かったです。父親であるジュリオさんは、大人になったら学びたいことはなんでも自分で学べるので、子どもの頃は勉強ではなく遊ぶことに多くの時間をつかって欲しいと願っているようでした。
◎孤愁<サウダーデ> 新田次郎
この物語以上にサウダーデを感じられる本は他にないでしょう。