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南イタリア、カソ家の朝昼晩

こんにちは、モデル・定住旅行家ERIKOです。

さて、夏になると気温が摂氏45度まで上がる南イタリアプーリヤ地方。湿気は少ないといえど、日中出歩くと日差しの強さで体が悲鳴をあげるほどの光線です。
暑さが苦手な私はここ3、4年、涼しい場所で夏を過ごしてきたので、まともに夏の暑さを感じるのは本当に久しぶりで体に堪えます・・・

今回は現在、私が定住旅行で滞在している家族、カソ家の1日を紹介したいと思います。

朝 Mattina

 

みんなが起きるのは比較的早く、男性陣とマンマは6時前後、他の人たちも8時には起床します。
南イタリアには、カトリック信仰心の深い人が多いのですが、お父さんのフランコさんは、毎朝教会へ行ってお祈りをするのが日課です。
午前中は10時頃までは比較的活動しやすい気温なので、買い物や外出の用事は朝済ませてしまいます。

朝ごはんは、クロワッサンとコーヒーなど甘い物を食べることが多く、イタリア移民の多い、アルゼンチンと同じ習慣があります。
また、コーヒーは日本でいうエスプレッソが一般的。濃いコーヒーに砂糖をたっぷり入れて飲みます。
ちなみにイタリア(バルで飲む場合)では、美味しいコーヒーには、”Cinque M”(5つのM)が求められます。

1、La Miscela  ブレンド
Alle origini della migliore qualità.(質の根源)

2、Il Macinadosatore  グラインダー
Un passaggio di qualità importante.(最高のコーヒーへの重要な一歩)

3、La Macchina  コーヒーマシーン
Il punto di incontro tra la tecnica e la cultura del caffè.(技術と文化が融合する時)

4、La Mano  人の技術
L’impronta professionale del barman.(プロとしての刻印)

5、La Mission  ミッション 
La passione per l’espresso arriva lontano. エスプレッソ(急行、特急)に対しての情熱は、遠くまで届く

お昼 Pomeriggio

13時頃から昼食が始まります。食事はイタリア人の命と言えるほど大切なもの。食事にまつわる食器やテーブルセットなども、食べ物の色などに合わせてセッティングしていきます。

マンマが「A tabola~!(席に着いて!)」と叫ぶと、イタリア人と思えないほど迅速にテーブルに集合します。
食事にまつわる時間となると、イタリア人と思えないほどきっちりとしていて、パスタが茹で上がる時には全員がテーブルに着席しています。
一番初めに出てくる前菜であるパスタは冷えたり伸びたりしないように、時間もしっかり計算されて出されます。

南イタリア人にとって、約束事としての時間は、守るべきものでもなく目安でしかないのですが(地中海に多いポリクロニック時間)、料理や食事に関しての時間はとても厳しいと言えます。(万が一遅れてしまった場合、まずいパスタは食べさせられないとのことで、前菜なしとなります)

昼食が終わると、シエスタの時間が始まります。街のお店も13時~17時半まで閉店。
家族も仕事を中断して自宅で体を休め、睡眠を取ります。昔からおじいちゃんやおばあちゃんに、昼食後には外に出るなと教えられて来たそうで、この時間に外にいる人はちょっと変わった人だと言われています。
確かに、日差しが一番強く照る時間ですし、体への負担を考えるともっともな言い伝えかと思います。

しかし、家族が休んでいる間もマンマは片付けや、夕食の準備をしたりします。

シエスタの後は、夜21時近くまで働きます。日本人からするとのんびりした働き方だと思うかもしれませんが、ボーッとする時間帯に職場にいても効率が悪いので、ダラダラと仕事をするより、集中できる時に仕事をする方がいいというのが彼らの考えです。

お父さんのフランコさんはもう80歳近いですが、未だに毎日事務所へ出かけ、法律の勉強と仕事をしています。

仕事が終わった後は、そのまま夕食タイムに入るか、もしくはそれぞれの趣味に時間を使います。日本のように会社を出て、上司と飲みに行くということはまずありません。

夜 Sera

夕食は21時半〜22時頃から始まります。食事がピザの場合は、男性が焼くというのが定番です。
テーブルでは、誰が焼いたピザが好みか、いつ食べたピザがどう美味しかったかなど、もっぱら食事の話で盛り上がります。

彼らの生活を見ていると、働く時間を除けば、主にしゃべることと食べることに一番時間を使っているように感じます。
SNSなどで相手とやりとりするときも、使うのはVoiceメッセージ機能。インターネットは最低限必要なときにしか使用せず、とにかく人との直接的なコミュニケーションを好みます。

そんな彼らが一番苦手なことは、一人でいることなのだそう。万が一、一人で過ごさなければならなくなった場合は、誰かに電話をするか、一人で喋り続けるのだそうです。笑
どちらにしても、しゃべることだけはやめれなそうですね。