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イラン1のホスピタリティ、ロレスタン州に暮らすロル族の家族

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

イラン西部、イラク国境に位置する、ロレスターン州の州都ホラマバードという街へやってきました。ここで定住旅行することになったのは、私のイラン人の友人が「イラン1自然が綺麗な場所だから、絶対行った方がいいよ!」という勧めです。

家族はロル族の末裔

滞在させてもらった一家は、アザルバニさんのお宅。


お父さんのレザさんは、薬剤師で薬局を経営しています。昔はアメリカに住んでいたそうです。

お母さんのザフラさん。小学校の先生をしています。世話好きで明るく、賑やかなことが大好き。


娘のシャディちゃん。お父さんの薬局で働いている薬剤師さんです。将来は薬局を継ぐのだそう。

ロレスタン週に暮らすロルの人たち


ロレスタン州の人口のほとんどは、ロルの人たちで構成されていて、アザルバニさん一家もその末裔です。ロル族は、イランの遊牧民や農耕民族として知られています。彼らは、ロル語を話し、未だにテントで遊牧生活を送っている人たちもいます。(完全な遊牧スタイルは少なくなっていますが)

こちらがロル族の民族衣裳です。デパートの洋服売り場などでも売られています。頭に被るスカーフは、イスラム教のヘジャブとは意味が違い、昔から習慣的に身につけていたと言われています。

イランの田舎生活は昼寝は必須

お母さんのザフラさんは7時から学校へ出かけ、レザさんとシャディちゃんは、9時に薬局へ出勤し、13時に一時帰宅して、みんなで昼食を取ります。17時まで仮眠を取り、夜は21時頃まで働いていました。昼寝の時間があるのはとてもいいですが、慣れないと逆に体がだるくなってしまうような気がしますね。

アザルバニさんの薬局で働く従業員は、全員彼らの親戚や家族関係の人。イランでは、個人経営をしている会社や中小企業などでは、従業員や責任のあるポストは、家族や親戚を雇うのが一般的です。
レザさんも以前、血縁関係のない従業員を雇っていたそうですが、お金や商品が盗まれるなどの被害に何度か遭われたそうで、現在は従兄弟や親戚のみを雇っていると話していました。


イランのどの家庭にもある、水を入れて、冷たい空気を発生させる機械。

私が滞在した4月上旬は気温が低く、ガスストーブを点けていましたが、夏場は相当気温が高くなるそうです。イランの家庭には、格子がついた空気穴が各部屋についています。これは、夏場に冷たい水を発生させて、その風を家中に送り込むシステムなのだそうです。しかし近年、気温が毎年上昇して暑さが増しているため、これに加えてエアコンもつけているのだそう。

世界1!ホラマバードの人たちのホスピタリティ

滞在中はほぼ毎晩、彼らの親戚や従兄弟の家に招かれて夕食をご馳走になっていました。

ホラマバードの人たちは、ゲストが大好きなことで有名なのですが、この街に到着した初日にビックリするような出来事がありました。

タクシー運転手のおもてなし

ホラマバードへはヤズドから夜行バスで12時間かけて辿り着きました。家族から、「バスターミナルからタクシーでうちまで来て」と言われていたので、バスを降りて、たまたま私の荷物を運ぶのを手伝ってくれてくれたタクシー運転手の車に乗り込みました。15分程走って、家に到着。ドライバーさんが私の荷物を丁寧に家の前まで運んでくれたと思ったら、彼はそのまま車に乗り込んで出発しようとします。

「ちょっと待って!まだお金渡してないですよ」というと、「いえいえ、あなたはゲストですから受け取れません」と言って、胸に手を当てて丁寧に頭を下げて行ってしまったんです。家族に聞くと、ここでは当たり前にあることみたいですが、旅をしているとボッタクリに気をつける癖がついてしまっているので、本当に驚いてしまいました。
その後もタクシーに幾度が乗りましたが、同じようにお金を受け取ってもらえませんでした。料金を受け取ってもらうには、それなりのテクニックが必要かもしれません。笑
ちなみに、これはイラン人同士でもあり得ることみたいです。外国人だけでなく、遠くから来た人をもてなす習慣が根付いているのだと思います。