オイミヤコン村に住む14歳のアリーナちゃんから見えてくる、高齢者との関わり方
14歳の女の子からのお誘い
こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。
「あなたと話がしたいっていう中学生の子がいるんだといいかしら?」
いつもなら、こちらから会いたいとお願いすることが多い私にとって、なんとも興味深いお誘いでした。
しかも相手は14歳の女の子。早速、彼女が通っているオイミヤコンの学校で会う約束をしました。
彼女との出会いはのちに、家族や年寄りの人たちとどのように関わっていくかを考えさせられるものになったのです。
家から学校までは歩いて10分。この距離、普通ならばなんでもない距離ですが、-60℃近い気温の中を歩くとなると、殺人的な時間です。
こちらがオイミヤコン村にある唯一の学校です。階段部分には滑り止めのため絨毯がひかれています。
アリーナちゃんは図書室で、質問表を握りしめて私を待っていてくれました。
彼女の私への質問は主に、日本語で会話するときのジェスチャーや文化についてでした。残念ながら日本語は手振り身振りをそんなに使う言語ではないので、質問はすぐに終わってしまいました。。。
おばあちゃんのためにオイミヤコン村へやってきた
私もせっかくなので、アリーナちゃんにオイミヤコン村での生活について聞いてみることにしました。
ERIKO(以下E) 、アリーナちゃん(以下A)
E:まずどうしてオイミヤコン村に住んでいるのですか?
A:私が生まれたのはヤクーツクですが、おばあちゃんが独りでこの村に暮らしているので、生活を手伝うために引っ越してきました。
E: では家族できたんですね?
A: いいえ、私ひとりです。両親はヤクーツクで仕事をしているので、ここにはいません。
E: それはすごいですね!
A: すごいのか分かりませんが、自分のおばあちゃんのことなので、手伝うのは当たり前だと思っています。
E: オイミヤコン村での生活はどうですか?
A: 最初、山とタイガの森の景色を見たときにとても美しくて驚きました。
あと、小さい村なので、学校でも誰が何しているかとか全部わかってしまうんです。ヤクーツクの学校は生徒の数が多いのでそんなことないので、面白いです。
あと、トイレが外にあるので、寒いです・・・笑
毎日の生活は学校以外、家事手伝いをしているので、あまり遊ぶ時間はありません。今の時期は寒さもあって、家の中で過ごすことがほとんどです。
E: 放課後は何をしていますか?
A: 家に帰ってすぐ手伝いをしますが、週に一回文化クラブがあって、そこで歌の練習をしています。とっても楽しくて毎回楽しみなんです。
E: 確かに寒いですよね。好きな季節は?
A: 春です。スキーができるから。
E: 冬もできるんじゃないですか?
A: 冬は寒すぎて雪が滑らないので出来ないんです。笑
E: 確かに歩いていても滑るということはないですもんね。砂漠の砂の上を歩いているみたい。このような生活環境で、どんな時に幸せを感じるでしょうか?
A: 両親に会った時です。父のことをとても尊敬しているし、いつも会えなくて寂しいので、会える時は本当に幸せです。
E: 日本についてどういうイメージを持ってますか?
A: 米。笑 あと、人がたくさんいるのと、地震がたくさんあることです。でも、米をよく食べるイメージが一番強いかな。
E: 将来の夢は?
A: ジャーナリストになりたいです。人に質問したりするのが好きだから。
終始ハキハキと質問に答えてくれたアリーナちゃん。私が特に感銘を受けたのは、14歳の女がひとりでおばあちゃんの生活を助けるためにこの村に引っ越してきて、あらゆる手伝いをしているということでした。
日本ではどうでしょう。地方に住んでいる祖父母のために、孫が引っ越して面倒をみるなんてことはなかなか考えにくいと思います。
オイミヤコン村では、家族のことは家族の当たり前の連帯責任として捉えられているような気がしました。