ロシアの仏教国 カルムイク人の暮らしとソウルフード
こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。お子さんがいる方はすでに夏休みが始まっている頃ではないでしょうか?滞在しているカルムイク共和国は、6月からすでに子どもたちは夏休みに入っています。9月まで学校は休みだそうで、3ヶ月という長い夏休みを過ごしている、滞在先のムチカエヴァ家の暮らしを紹介したいと思います。
5人の子どもたち
ムチカエヴァ家には16歳~1歳4ヶ月までの子どもが5人います。カルムイクでは決して多い方でありません!1歳4ヶ月の一番小さな弟の面倒は、兄弟で順番にみています。親が登場するのは、どうしても手がつけられなくなった時のみ。基本的は長男のアイタ君(16歳)が中心となって、食事、トイレ、寝かしつけなどすべての面倒をみています。
掃除や皿洗いも兄弟の仕事。それぞれ担当が決まっていて、毎日手伝いを誰に言われずとも当たり前のようにこなします。
寺院にお参り
家族は仏教に関係する記念日の他に、月に一度寺院でお参りへ行きます。カルムイク人が信仰しているのはチベット仏教。お祈りの仕方は五体投地というやり方で行われます。
五体投地は体の5つのパーツを地面につける礼拝の仕方です。まず合掌し、両膝をついて、手をつき、そのまま前に滑らせるように突き出して、額を地面につけ、起立し合掌するというものです。
彼らの信仰は日常生活の中にもあります。カルムイクチャイ(お茶)入れる時などは、”オムマニペドメフン”と唱え、最初に神様に捧げてから、飲む習慣があります。食事の時も、はじめの一口は神様に供え、その後に家族が食します。
超肉食のカルムイクの食卓
カルムイクの食事と言えば、”肉”。毎日、牛肉、羊肉、鶏肉のオンパレードです。カルムイク人曰く、野菜は草で食べるものではなく、鶏肉もあまりお腹にたまらないことから、鶏肉は肉というジャンルで捉えられていません。
こちらはある日の朝ごはん。レバーと玉ねぎの炒め物です。朝からお昼ご飯のようにしっかり食べます。
食べる時間は決まっていない
カルムイクの家庭に滞在し始めて感じた生活のリズムの違いの一つが、食事の時間です。
カルムイク人は朝、昼、夜の3食が基本ですが、時間は全く決まっていません。朝は8時から10時の間、昼食は13時から17時の間、夕食は19時から22時の間と言った感じで、その日の予定とお腹が空いた時間に合わせて食事を摂るというスタイルです。始めは滞在している家だけかと思いましたが、他のカルムイク人に聞いてみるとほとんどの人が「お腹が減った時に食べるので時間は決まっていない」という返答でした。
カルムイク語には、「ごちそうさま」に似た言葉があります。それが、「アシャンブルトゥハ」食事が終わるとこの言葉を言う習慣があります。
カルムイク料理をご紹介!
ここでカルムイクの代表的な料理をご紹介したいと思います。
дотур ドゥール
こちらはカルムイクのソウルフード。牛の内臓をすべて使用し、煮込んで細かく刻み、パスタと一緒に調理した食べ物です。料理中は非常に強い匂いがしますが、カルムイク人の大好物です。旅行などに行ってカルムイクへ帰ってくると、最初に食べるのはドゥールと言われるほど、彼らにとって欠かせないソールフードです。日本人が味噌汁の味が恋しくなるような感覚とも言えますね。
シュレヌ
羊の肉を煮込んだ出汁。ビタミンが非常に豊富で、カップにスープを入れてそのまま飲み物として飲むことも。
Хрусн Махн フルスン・マフン
カルムイクヌードル。うどんのような太さの麺と羊肉を野菜と炒めたヌードルです。カルムイクのB級グルメといったところでしょうか。
カルムイク人が信じる迷信
カルムイクはロシアで一番気温が高い場所と言われているほど暑い地域です。6月でも日中は40度以上まで上がります。昼食が終わった後に、休憩がてら1~2時間ほど昼寝をする習慣もあります。
しかし、”夕暮れの陽が沈む瞬間はうたた寝してはいけない”と言われていて、誰もこの時間帯には寝ようとしません。うたた寝すると、病気になったり、魂が吸い取られると言われています。