テヘランに暮らす家族の日常生活
こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。
イランで最初の定住旅行地は、首都のテヘランです。1000万人以上が暮らし、東京が小さく感じられるほどの大都市! 標高1,000mの場所にあり、もともとは北部で暮らす人たちの避暑地として栄えていたようですが、現在ではイランの経済中心地となっています。
私がテヘランで滞在させてもらった家族の生活の様子をご紹介したいと思います。
サイデ・エマミさん 清掃会社の社長さんをしています。家では家事も積極的に行う、素敵な夫。
ゼナッブ・ヴァファダリさん 私立高校の教師として働いています。イランでは結婚しても性は変わらないため、旦那さんとは違う姓を名乗ります。
アリ・エマミ君 サッカーとヒップホップが大好き。子どもは父親の性を取ります。
朝は5時起床
イランの朝は早く、学校や会社が始めるのは朝7時頃から。朝ごはんはみんながどんなに忙しくても家族で揃って食べます。
イランの典型的な朝ごはんはこちら。
パンはバルバリ、サンギャック、ラバシュなど主に3種類あります。そして、クリームチーズ、バター、きゅうり、トマトと一緒に食べます。ちなみにきゅうりはイランではフルーツのカテゴリーに入るので、いつもフルーツかごの中に入っているんです。
テヘランっ子はタクシー出勤は当たり前
家族が所有している車は一台で、サイデさんとゼナッブさんは日替わりで車を使用しています。日替わりでどちらかが車通勤をし、どちらかはタクシー通勤をしています。
テヘランでは、通勤の時に使う交通機関で最も主流なのがタクシーなんです。地下鉄やバスもあるのですが、この広いテヘランで行ける場所が限られているため、多くの人は便利な乗り合いタクシーを利用します。ちなみにサイデさんの会社までは、約1時間半で料金は25000トマン(約500円)です。
車の交通量が多く、排気ガスによる大気汚染も深刻な問題となっています。景色はいつも黄色みを帯びていて、遠くが見えないほどです。毎日が大渋滞で、通勤時間のほどんどは渋滞に巻き込まれているような状態です。
アリ君は学校が終わって午後15時半頃、ゼナッブさんは17時には帰宅します。帰宅後は大体みんな仮眠を取り、サイダさんが帰宅するのは19時頃から夕食の準備が始まります。夕食の準備に合わせて、次の日のお弁当作りも行います。夕食は21時頃から食べ始めますが。そんなに遅くに食べて、胃がもたれるのはと思った方もいるかと思いますが、スープやサラダなど軽めなものが中心です。
ここでどのイラン家庭にもあるこだり家電を紹介!
2段型ポットと炊飯器
イラン人ほど紅茶をよく飲む国民を私は知りません。1日に何度もティータイムを取るイラン人に欠かせないのが、こちらの2段型ポット。上の段で紅茶を作り、下の段でお湯を沸かしながら温めます。
炊飯器も主食がお米のイランの家庭には欠かせない家電です。日本にもありますが、イランではご飯を炊く時に、必ずおコゲを付ける習慣があります。そのため、炊く前に少しだけ油を入れて炊くのが特徴です。
木曜と金曜が週末
イランのカレンダーでは、木曜と金曜が日本の土曜と日曜に当たります。休みの日は家族で買い物へ出かけたり、それぞれの習い事へ出かけたりします。
ゼナッブさんは英会話を、サイダさんはイランの伝統楽器であるサントゥールを、アリ君はセタルを習っています。
現叩いて音を出す、サントゥール
5歳からセタルを習い始めた、アリ君
イランの子どもの教育
ゼナッブさんは子どもの教育についてこんなことを話してくれました。
「勉強をすることも大切だけど、それ以上に音楽などの芸術の楽しさを子どもに理解させることがとても大切だと思っているので、月謝を支払うのは大変だけど、価値があることだと思っています」
また、イランでは親や目上の人に対してのことば遣いをとても気を遣います。ことば遣いで育ちや教育、家系が分かるからです。子どもたちは親に対しては必ず敬語で話しますし、少しでも悪い言葉を使うと強くしつけます。
初めてのイスラム教の国での生活ということで、初めは不安な面もありました。エマミ家はもちろんイスラム教徒の家庭でしたが、特別モスクへ行ったり、お祈りをしたりという姿はほとんど見かけませんでした。イランは宗教の信仰度は家庭によって様々で、公の場に出るときには、国が定めているルールをしっかり守るといった感じです。
また私が出会ったほとんどのイラン人は、自己紹介の挨拶に合わせて、「自分は信仰心がほとんどない方だから」とか、「私は真面目に信仰している」ということをはっきり教えてくれました。どんな場合でも相手の考えを尊重して接していけば、決して失礼なことはないと思います。