ちきゅうの暮らしかた ERIKO OFFICIAL WEB SITE

イラン人独身アラサー女子2人に質問!

  • 07.21.2018
  • イラン Iran

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

イランでは、女性が30歳を過ぎると結婚できるチャンスが一気に減ると言われています。家族形成が自分の評価に繋がるほど大切なイランでは、結婚や仕事とのライフワークバランス他の国とは違う価値観があります。
私もイランにいる間、初対面の人に挨拶もままらないタイミングで、「結婚してるの?子どもはいるの?」などと聞かれたことは何度もあります。初めは「失礼だな」と思っていましたが、彼らがあまりにも悪気がないのです。
イランでは、結婚は日本よりも大事な社会地位の位置付けになっているような気がします。そんなイランで30以上の未婚女性に出会うことはなかなかチャンスがありませんが、未だに独身を貫いている女性2人に仕事や結婚のことを聞いてみました!

メンバー紹介


シャーデーちゃん(32)ロレスタン州ホラマバード在住
職業: 薬剤師兼薬局経営
趣味: 旅行


シマちゃん(31)カナダ在住
職業:カナダの大学院で医療関係の修士課程を取得中
趣味:読書

ボーイフレンドを持つのは違法、イランの恋愛

Q、一般的なイランでの恋愛、結婚というのはどんな形が多いでしょうか?他の国との違いは?

シャーデー:私たちはムスリマなので、他の国のように付き合って、同棲してから結婚というプロセスはありません。20歳を過ぎる頃になると、親や親戚、近所の人から、「こんな人はどう?」と紹介を受けます。アプローチは99%男性からのみです。女性がいいと思えば、”ハスタガリ”と呼ばれる、両家の両親が在籍したデートのような食事を重ねます。その際に、お互いの家族の経済・教育レベルのバランスが合っているかを確かめたりしながら、気に入れば結婚へのプロセスへと進みます。

シマ:最近では都会のテヘランでは、同棲をしたり、彼氏がいたりする人もいるようですが、ハラル(イスラム法に置いて合法なもの)ではありません。また他の国との恋愛観の違いは、女性は年上の男性と結婚するのは問題ないのですが、女性が年下の男性と結婚することは稀ですし、周りが強く反対する傾向があります。

Q、皆さんは、なぜ結婚していないのですか?

シャーデー:私は旅が好きで、よく海外へ行くのですが、その時に国際的な人とたくさん接していたり、違う文化をみる中で、自分が暮らす小さな街の男性に足りないものをみてしまうという部分があるからかもしれません。この年になると、家族や親戚は私の結婚のことを心配して、色んな男性を紹介します。まだいい人に出会っていませんが・・・笑
家族には、今年中には結婚を取り決めたいと言われていますし、親戚には会うたびにうるさく聞かれますよ。

シマ:私は今カナダに住んでいて、大学の修士を取るために勉強をしています。結婚願望はあるのですが、今は勉強に集中したいと思っています。あと、海外に住んでいれはイラン人以外の男性との恋愛・結婚の可能性もあることは事実です。しかし、私たちはイスラム教なので、結婚するとなると、相手の人もイスラム教に改宗しなければなりません。また、イラン人は家族や親戚づきあいの仕方が他の国と比べて親密で独特なので、外国人と結婚すれば、その習慣を身につけて家族・親戚交流をしなければならないというハードルの高さはあると思います。
それらを考えると、文化や宗教が同じイラン人と結婚するのが、自分の家族のためにはいいかなと思います。

Q、相手選びで大切なのは?

シャーデー:誠実であることです。あと、自分の家族や親とうまがあう人というのも大事です。

シマ:社交的で、裏表がない人です。

家族を中心とした生き方

                                      頻繁に親戚やいとこの家を行き来して食事をするイラン人

Q、恋愛と仕事、家族どれが一番大事ですか?

シャーデー:もちろん、家族です。例えば、もし自分が本当に好きな人がいて、その人が海外に住んでいたり、イラン人でないとすれば、本当に好きでも結婚しないかもしれません。それは、家族のためです。家族の近くで生活できて、イラン人であれば、そんなに好きでない人でも結婚して、家庭を持った方がいいと思います。
私の親が言うには、「結婚して生活していけば相手に情が湧いてきて、愛が生まれるから、初めはそんなに好きでなくてもいい」ということを言われたことがあります。
私が一番避けたいのは、家族が悲しむ結婚です。外国人や私の家族レベルにそぐわない結婚して、親が近所や親戚から「どうして娘を結婚させたんだ」と言われて苦しんだり、私と遠く離れて寂しい思いをさせるのは一番辛いです。

シマ:私は仕事と家族が両方同じくらい大切です。家庭を持つことで、仕事のキャリアを諦めたりは絶対にしたくないと思います。どちらも私を支える大切な人生要素ですし、自分の仕事のキャリアを高めることは、結婚相手に対して、経済面でのプレッシャーをかけないと言う面でも大切だと思います。
また、結婚すると家族や親戚付き合いだけの生活になる人もいますが、私は友人関係もシングルの時のように付き合っていきたいと思っています。なぜなら、同じ環境でしか人付き合いしないと、自分がつまらない人間になってしまうからです。そうなると、旦那さんにとっても私が魅力的な女性ではなくなってしまうのではないでしょうか。

子どもが産めなければ、第二の奥さんを取るか代理出産をする

Q、イランではどんな女性がモテるのでしょうか?

シャーデー:独立してしっかりとしている女性。料理ができる人、家族に優しい人、この3つは定番のような気がします。

シマ:私もシャーデーと同じ意見です。加えて、結婚したらやはり子どもを産めるかも大切な要素である気がします。イランでは、子どもが産めない場合、旦那が2人目の奥さんと結婚して、子どもを作る場合もあります。
また、今は代理出産も流行っています。代理出産というと、体などに問題があって子どもが産めない場合に行うことだというイメージがあります。しかし、イランでは特に身体に問題がない場合でも、働いていて妊娠することで仕事に大きな支障などがあると判断した場合、代理出産する人も多いです。また、多くの場合、カップルが子どもを欲しいという思いより、子どもがいないことで家族や親戚の仲がギクシャクしないよう、仲を円滑にするために必要だと考える人も少なくありません。


増加する離婚カップルについての新聞記事

Q、イランでは現在、3分に1組が離婚していると言われています。なぜ離婚するカップルが多いと思いますか?

シャーデー:私が感じるのは、男性が家庭をしっかり守るという古風な人が減っているのと、女性も経済的な力を持ち始めているため、昔とは家庭内での役割が変わってきているからだと思います。あと、浮気をする男性もイランではとても多いですね。それも原因ではないでしょうか。

シマ:イスラム教であるイランでは、他国のように彼氏や彼女と言った、恋人関係の時間を持つことができません。付き合ってみて、相手のことを知る機会がないので、生活をしていく中での様々な不一致が起こりやすいのだと思います。あと、今の人は我慢強さに欠けていると思います。ちょっと嫌なことがあると我慢できずにすぐ別れてしまう。私の親たちもそうですが、昔の人はそういう忍耐があったのだと思います。

イランの恋愛事情を赤裸々に話してくれた、シャーデーとシマちゃん。(ちなみにペルシャ語で〇〇ちゃんは”〇〇ジャン”と言って、日本語に馴染みある呼び方をします)
自分の仕事のキャリアを大切にしながら、自分のことだけでなく、家族のことも考えながら将来を考えている、そんな気がしました。次回私がイランへ行くときは、この2人がどうなっているか、会うのが楽しみです。