超多忙!キューバで主婦の1日を追ってみた
こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。
「キューバのお母さんたちはいつ休んでいるのだろう?」とキューバに来る度にしみじみ思います。そのくらい、キューバのママたちは1日に本当にたくさんの仕事をこなしています。私が滞在しているキューバの家族のお母さん、ジェリリさんの1日をご紹介したいと思います。
主婦の朝は5時からスタート!
家族で一番早く起きるのはお母さん。キューバの学校が始めるのは、朝8時です。それまでに、娘のサダミちゃんを起こして朝ごはんを準備し、お弁当を作ります。キューバの小学校では給食が出るのですが、メニューがほぼ毎日一緒で栄養が足りないかもしれないという不安から、お弁当を持たせる家庭も少なくありません。
朝ごはんは、パンと卵、あればチーズを濃いめのコーヒーと一緒に摂ります。
こちらは、キューバの小学校の制服。全員がこれを着て登校するすることが義務付けられています。
サダミちゃんの髪を結わえている髪飾りはブルーですが、キューバでは学校で身につけるアクセサリー類は赤、白、青の国旗と同色の物を使用しなければならないというルールがあります。(このアクセサリーもジェリリさんの手作り)
準備が終わったら、ジェリリさんはサダミちゃんを学校までお見送り。それが終わったら一度家に戻って、家族の食事と自分が会社へ行く支度をします。
お昼はお弁当を渡しに学校へ
ジェリリさんの仕事は朝9時に始まります。家から歩いて10分ほどの場所にある、文科省で働く彼女。仕事には、彼女とサダミちゃんのお弁当を持っていき、冷蔵庫で保管します。小学校には冷蔵する場所がなく、年中気温の高いキューバでは、すぐに食べ物がいたんでしまいます。そのため、ジェリリさんの職場の冷蔵庫で保管して、お昼になると食事を温めて、サダミちゃんの学校までお弁当を届けにいきます。夏場はとんでもない暑さになるキューバですが、学校にはエアコンなどがないため、生徒たちが授業を受けるのも体力的に大変なんだとか。
私も彼女の職場の前を通りかかると、立ち寄ったりしていました。キューバでは、職場に家族や友だちが訪問することは珍しいことではなく、職場の人たちも歓迎してくれます。
夕方は宿題と食事の準備
ジェリリさんの仕事が終わるのは、夕方5時頃。サダミちゃんを学校まで迎えに行って、一緒に帰宅します。家に戻ったら、家事と食事の準備が始まります。
キューバには、食料配給制度があり、ある程度の食材は配給で賄っていますが、足りない食材は購入しなければなりません。しかし、欲しいものもお店に出回っていないことが多く、例えば1個のバターを手に入れ売るのに、2、3時間お店を回って手に入れるというのも日常茶飯事です。日本ではスーパーへ行けば必要なものがすぐに手に入るので、本当に便利な社会ですよね。
家に帰ると、食事の準備の前に、サダミちゃんの宿題をみます。キューバでは宿題以外に親が各自で子どもに教えなければならない勉強や科目などがあり、責任を持って家で指導しなければなりません。また、学校にプリント用の紙が不足している関係で、親の職場でプリントして子どもにもたせたりします。
そんなことをしている間も家にはひっきりなしに電話が鳴り、(wi-fiがないので、メッセージのやりとりの代わりが電話)その度に作業がストップ!
料理が大好きなジェリリさん。キューバ人に珍しく毎日違ったメニューの食事を作ります。笑 (キューバ人は基本的に毎日同じメニューのものを食べ、ほとんど野菜は食べません)
野菜たっぷりの食事。ちなみにジェリリさんの悩みはサダミちゃんがお米と野菜を全く食べないことだそうです。
ここでキューバの迷信と主婦の豆知識を・・・
その1 キューバでは塩をうっかりこぼすと運が逃げると言われています。
その2 火傷したら、卵の殻の内側についている膜を貼り付けておくと治る
忙しいジェリリさんのため、毎日彼女を手伝いに来る、ジェリリさんのお母さん。サダミちゃんの面倒を見たり、家事を手伝い、ジェリリさんをサポートしています。一番の大変なのは、サダミちゃんをお風呂に入れること。どうしてどの国でも子どもはお風呂になかなか入らないのでしょうかね〜。
ジェリリさんの胸の内
本当に休みなく働いている彼女ですが、普段生活している中で考えていることを教えてくれました。
「私の一番の心配は、家族の毎日の食事を確保することです。経済的にも余裕がないし、街に物も出回っていないことを多く、1日の大半の時間は食べることの心配で過ぎていっているのが本音です。他の多くの国の人たちは、寝る前や起きてすぐにそんな心配をしなくてもよく、私が食事の心配をしている間、違うことを考える時間に使えるかなと思うことがあります。
バケーションは、年に何回があります。しかし我々キューバ人にとってバケーションは、どこかへ旅行に出かけたりなど到底できません。大体、家の前の公園で娘たちと過ごすことが多いです。もし、自由に違う土地へ行くことができたら、少し日常から離れられて日頃の心配も軽減するかもしれないですね。キューバで生きていくことは本当に大変です。でも、私たちは前向きにいきていかなければなりません。下を向いて不機嫌にしていても、人の役に立たないのですから。だから、今日も笑顔です」
日曜日は主婦に優しい日
上記でご紹介したように、ジェリリさんの家事・育児に対して、旦那さんの登場シーンがありません。キューバでは共働きであっても、多くの家庭では女性が家事・育児をこなしていることが多いようです。
そんなキューバには、主婦に優しい1日があります。それは、日曜日。キューバでは日曜日は、食事の回数をいつもより1回減らして、朝食と夕食しか食べません。それは、いつもたくさんの仕事を抱えているお母さんをいたわって、食事を作る回数を1回減らすことで、ゆっくりしてもらう時間を増やすことです。
夕食は夕方5時頃から始まって、終わったら家族でテレビを見たり、Sobre mesa(ソブレメサ)と言って、テーブルに座ったままたわいもない話をしたりして、家族との時間を楽しむのです。