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スペインで美味しい物が食べたいなら、ガリシアへ行け!

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。
ガリシア地方は、スペインで一番新鮮で美味しい食べ物が安く食べられる場所と言われています。都心部のマドリッドやバルセロナにもガリシア料理レストランはたくさんあり、高級料理として知られています。ガリシアで食べた、それはそれは美味だった食事と、それにまつわるお話をご紹介したいと思います。

                                              アンダルシア地方の名物 Tortillas de Camarones エビの天ぷら

スペインは地方によって、文化や習慣、気候が随分異なることはこれまでの記事でもご紹介してきました。料理も地方によってその料理の仕方や食べ方が異なります。沿岸部は魚介類をふんだんに食べ、内陸部は肉と豆を基盤とし、南部は揚げることから全てが始まると言われ、中央部は煮込むことが日常的と言われています。

そして、スペイン全土に共通する食材は、オリーブオイルです。スペインはオリーブオイルの生産が世界一で、国内生産量は年間750万トンです。その歴史は、かつてギリシャ人がイベリア半島にオリーブ栽培の技術をもらたした後、ローマ人がオリーブ油の商品化を進め、アラブ人が栽培地域を拡大し、技術を進歩させたと言われています。様々な民族がスペインを支配したことで、アメリカ大陸への進出以降、植民地へ送るため、オリーブオイルの生産量は飛躍的に伸びました。

スペインの食の心臓 ガリシア料理の特徴

多くのスペイン料理は、アラブやアメリカ大陸からの影響で、パプリカやトマトを使用する料理が多いです。それに比べ、ガリシア料理の特徴は、”素材の味をふんだんに生かすこと”にあり、あまり手を加えないシンプルな味付けの料理が特徴です。それではガリシア料理を見て行きましょう!

Navaja  ナバハ

貝料理で一番好きになったのが、こちらの”ナバハ”(マテ貝)。オリーブオイルと相性の良い、ERIKO一押しのガリシア料理です。
ガリシア人が持参しているサバイバルナイフ、”ナバハ”に似ていることからその名前がついたそうです。

高級珍味 亀の手


貝類に入るPersebeペルセべと呼ばれる爪のような形をした高級食材があります。塩茹でして食べることが多いそうです。
大変危険な地域で漁を行うため、値段も非常に高いです。

Caldo Gallego カルド・ガジェゴ

ガリシア地方の寒い時期に欠かせないのが、スープ料理。野菜たっぷりで温まる料理です。出汁は生ハムの骨からとる、味わい深い一品で、日本人が味噌汁を飲む感覚に似ていると思いました。

Pulpo A Feira プルポ・ア・フェイラ

ガリシアと言えば、そう”タコ”です。ガリシアでは、フェリア=市場で食べるものとして知られています。
ガリシア以外の地域では、”Pulpo a la gallegaプルポ・ア・ラ・ガジェガ”=タコのガリシア風と呼ばれています。赤いスパイスはエストレマドゥーラ州のベラ地方のパプリカパウダーが使われており、甘口と辛口があります。ガリシアのタコは柔らかいのですが、絶妙な歯ごたえがあって、「これまで美味しいタコを食べていなかったんだ・・・」と思うほど。

茹で上げたばかりのタコに新鮮なオリーブオイルをかけて食べられるのは、フェリアならでは。特に寒い日に食べると、格別美味しく感じられます。

 

Empanada エンパナーダ

これまでエンパナーダはアルゼンチン料理だと思っていたのがお恥ずかしい。。。オリジナルはガリシアのものです。玉ねぎ、パプリカ、お肉などが詰まったパイ。ピザのようにたくさんの種類があります。食事の最初の一品としてやスナックとして日常的に食べられています。

Cachucha カチューチャ

ビジュアル的に衝撃的な映像ですが、こちらは豚の頭です。私が食べたのは骨付きですが、一般的にカチューチャといえば、ほとんどが豚の顔の皮のみです。日曜日など家族が集まってゆっくり過ごす時に食べる料理で、家庭で食べます。

Licor Café

ガリシアで食後にコーヒーを頼むと必ず一緒についてくるのが、”アグアルディエンテス”というお酒です。ワイン作りで余ったぶどうで作るアルコール度約40%の透明なお酒です。味は消毒液を飲んでいるような無味なアルコール飲料という感じの印象で、特に美味しいわけではありません。
アグアルディエンテスは、ガリシア地方では昔から飲料以外の用途にも使われています。それが、”Queimada gallega”というおまじない(Conjuro)です。友だちが多く集まる時や、パーティーの時に、悪い霊を追い払うために行う儀式です。


動画を見てもらうと分かりますが、この火をつけてかき混ぜているのもが、アグアルディエンテスです。
この儀式の指揮をとる人は、ケルト文化の”ドイルド”という祭司から来ているのではと言われています。ドイルドは、宗教指導者であり、政治的指導、争いの調停などケルト社会で重要な役割を担っていた人物で、カエサルの「ガリア戦記」にも出てきます。

豚の血でクレープ


冬の時期になると、ガリシア地方では各家庭で豚の屠殺が行われ、ソーセージやハムを作る作業が行われます。またこの時に食べる定番料理が、”Filloas”フィショアスと呼ばれるクレープ。我々がイメージするクレープはミルククレープですが、ガリシア地方では、なんと、豚の血のクレープを食べるんです。。。

Rubia Gallega ルビア・ガジェガ牛

魚介類のイメージが先行するガリシア地方ですが、実は高級な牛の肉があることでも有名なのです。ガリシアにはたくさんの種類の牛がいますが、特に有名なのは、Rubia gallegaルビア・ガジェガ牛。土着の赤牛で、柔らかくキメ細かい赤身のお肉です。映画「ステーキ・レボリューション」でも絶賛されていたお肉です。

ガリシアのワイン

ガリシア地方はワイン、特に白ワインが美味しいことでも有名です。Rias Baixas リアス・バイシャス、Ribeiroリベイロ、Ribeira Sacraリベイラ・サクラなど多くの原産地呼称(Dominación de origen)があります。この原産地呼称は、原産地呼称統制委員会で設置された地域内で、厳しい基準に基づいて生産されたワインのこと。高級ワインの中心的なカテゴリーとされています。ガリシアのワインはスーパーでも手軽な値段で手に入り、しかも美味しいのが嬉しいです。個人的には、アルバリーニョという品種のワインが好きになりました。
こちらは、”Cuenco de vino クエンコ・デ・ビーノ”と呼ばれるワインを飲む器。昔はこの入れ物で飲んでいたそうです。

ガリシア料理、いかがでしたでしょうか?ガリシア地方はGDPがスペインで最も低い場所ですが、昔から豊富な食料に恵まれて来た土地でもあります。コミュニケーションを円滑にしてくれる食事は、ガリシア人にとってとても大切な生活の一部であります。