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ロシア人と仲良くなる時に覚えておきたいこと

  • 06.11.2017
  • ロシア Russia

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

近くて遠く感じるロシア

近隣の国でありながら、その大きさや複雑な言語から、未だに謎めいた印象のある、ロシア。過去に3回、ロシアで語学留学と定住旅行を経験した私ですが、何度か足を運んで、ロシア語を話せるようになって、初めて”ロシア”というものを少しずつ理解してきた気がします。

これまで40カ国以上で滞在を繰り返した私が、文化や習慣がこれ以上特徴的な国は思い当たりません。

そこで、日本人がロシア人と接するときに知っておいた方がいいことをまとめてみました。下記のことを把握しておけば、お互いのコミュニケーションへの理解がより深まると思います。

  • 笑顔はもっとも大切なもの

ロシア語には、Смех без причины, признак дурачины.理由なき笑いは馬鹿の証)という諺があります。

ロシア人にとって笑顔は大切なもの。それは大切な人や好意がある人へ見せるものなのです。ですので、初対面でいきなり笑顔を見せたりすると、「この人は信用できない人、無責任な人」となってしまうのです。

ロシア人の友達が日本へ来たときに必ず聞かれるのは、「どうしてレストランで働く人たちは、何もないのにニコニコしたりしているの?」「どうして日本人は会話の途中で面白くもないのにニコニコするの?」という質問です。

我々のサービス業の基本は、笑顔=好印象、フレンドリーという欧米の価値観が基準になっていることが多いのですが、ロシア人からすると、「何か自分が笑われてみたいで不安になる」ということがあるそうです。

日本人はコミュニケーションの一環として、相手に気を遣ったり、好印象を持ってもらおうという自然な意図で笑顔をふりまいたりしますが、ロシア人は、表情に気持ちを表すことに対して、とても正直な国民性を持っています。笑顔=何か楽しいこと、嬉しいことがあったときというマインドを持っているので、意味のない笑いは不思議に感じてしまうのです。

しかし、笑わないからと言って、決して怒っているわけではありませんからね。
むすっとしているように見えても、困ったことがあって声をかけると、親身になって助けてくれますから。

  • 初対面で「お元気ですか?」と聞かない方がいい

 

「お元気ですか?」は、外国語を勉強する上でも初期の段階で出てくる定番フレーズです。
もちろんロシア語にもありますが、使い方が他の言語とは異なるので、注意が必要です。
私もこれに気づいたのはロシア語を学んだ随分後でしたが、知ったときに、どうして「お元気ですか?」というと、人がちょっと迷惑そうな顔をするのかがよく分かりました。

ロシア語で「元気ですか?」は、как дела?(カク=どう ジェラ=事柄)と訳されます。これは直訳すると、”あなたの事柄(生活など)はいかがですか?”ということになります。
ですので、初対面や親しくない人にこの質問をしてしまうと、「自分の生活やプライベートのことをいきなり聞かれても・・・」となるわけです。

ですので挨拶の時は上記の質問はしない、または、как вы?(あなたはどうですか?)と言うような簡単な質問の方が適当な気がします。

また、ロシア人は返事をするときに、英語のように、Great! Good!(良いです!)みたいな返事はほとんどしません。

Нормально (ナルマルナ)まあまあです、普通です。

Не плохо (ニプローハ)悪くはありません

などと答えるのが、一般的です。

どうして肯定的な返事をしないかを何人かのロシア人に聞いてみたところ、

「どう?と聞かれれば、頭の中で問題ばかりが浮かんできて、大変なことがたくさんあるなぁと思うけれども、でもそれでもこうやって生きているわけだから、悪すぎはしないと思う」

というような考えが頭を巡って、この答えになるというのです
考えすぎ?なのか、哲学的なのか、正直すぎなのかはわかりませんが、なんとも面白い価値観です。

実は底抜けに明るいロシア人

いろいろと書きましたが、ロシア人と接するときにとても大切になることは、
「自分の気持ちに正直でいて、それを素直に表現すること」につきると思います。

一見、無表情で無愛想な印象を感じてしまうロシア人ですが、仲良くなった途端、実はラテン系で情の深い民族だということが分かると思います。
ロシア語が話せるとなおさら心をオープンに、いつもニコニコと明るく接してくれます。

見かけと違う深みのあるロシアという国にどんどん惹かれていくのは、短い期間では理解できないことが、人とのコミュニケーションや文化を知ることを通して、深く理解できるということでしょう。

単純ではありませんが、理解した時は、何か秘密の暗号でももらったような嬉しさがあります。