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私がイランを定住旅行先に選んだわけ

  • 05.04.2018
  • イラン Iran

こんにちは、モデル・定住旅行家のERIKOです。

2018年2箇所目の定住旅行地は、中東イランです!人生初めての中東地域ともあり、私にとっては未知の世界です。去年の年末辺りから、イラン国内でのデモがニュースになったり、中東地域の政情が不安定なことから、危ない地域というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
私がイランという国を選んだ理由と、生活を通して見えてくる、実際の国の様子をご紹介したいと思います。

イランといえば?

イランと言えば、ペルシャ絨毯や砂漠などのイメージが湧いてきます。日本で活躍しているイランに関係する人と言えば、野球選手のダルビッシュ有さん、歌手のMay.Jさん、タレントのサヘル・ローズさんなどがいますね。

昔、日本にはたくさんのイラン人が住んでいました。バブル時期の日本の建設ラッシュを支えたのは、イラン人だとも言われています。

またイランには、世界最古のものや発祥したものが多くある国の一つですが、その内の一つに人権が初めて宣言された国としても知られています。古代ペルシャの最初の王であった、キュロス大王の軍団がバビロンの都市を占領した際に、そこにいた全ての奴隷を解放しました。そして、「すべての人民には自分の宗教を選ぶ権利がある」と宣言し、多様な民族を平等に扱うことを決めたと言われています。その言葉が刻まれたキュロスシリンダー(キュロス大王の円柱)はイギリスの大英博物館に置かれ、レプリカが国連本部にあります。

なぜイランへ?

そもそも、なぜイランという国を私が定住旅行地に選んだのかお話したい思います。

子どもの頃に、中東のエキゾチックな雰囲気に惹かれ、一時期は考古学者になりたいと思ったこともありました。それを父親に話したとき、「だったら、今日から庭を掘り続けろ」と言われたんです。その時、ちょっとできないかもと思ってしまったんです。父は続けて、「庭が毎日掘れないようであれば、考古学者なんて絶対なれない」と言ったんです。それで、考古学者になることは諦めてしまいました。笑 それでもいつかは中東に行ってみたいと漠然と思っていました。

数年前に「砂漠の女王」という本に出会いました。その昔ペルシャで大活躍し、イラク建国の母とまで言われた、イギリス人考古学者・登山家のガードルート・ベルという女性の人生が綴られた本です。当時の英国では、男性しか学習することを許されていなかったラテン語を彼女は独学で習得し、その他6ヶ国語をマスターした男勝りな彼女に生き方に共感を覚えました。貴族でありながらも、現地で暮らす庶民と共に多くの時間を過ごし、時には砂漠の民と一緒に何ヶ月も旅をして、現地の人と強い信頼関係を結んでいました。

生涯で心惹かれた恋人2人は不意な事故で亡くなり、最後はひとりぼっちで寂しく人生の幕を閉じるのですが、彼女が愛情を注いだこのペルシャの地域へ行くことが私の憧れだったのです。

危ないイメージがあるけど、実際はどうなの?

現在”中東”という言葉は、”テロ、紛争”などのイメージと直結しやすく、多くの人が現地の本当の実態もわからないまま、安易に”危ない”と口にしてしまっているのではないかと思います。その主な原因の一つに宗教があげられるのではないでしょうか。

もちろん、シリアやアフガニスタン、イラクなど、場所によって渡航するには危険な地域があることも確かですが、イランもそのイメージの中に巻き込まれてしまっている気がしてなりません。

私はイランで約2ヶ月生活しましたが、街を歩いていても、夜外出しても、身の危険を感じることはほとんどありませんでした。むしろ中南米やヨーロッパ地域の方が治安の面で言えばはるかに気をつけなければならないことがたくさんあります。

また、テロに関してもイランの治安当局の警備は非常に強く、テロが起こる確率は日本とほぼ同じくらいだと言われています。

イランの人たちってどんな人?

イラン人のイメージはこれまで私の中でも謎に包まれていましたが、こちらへ来て思うのは、本当に親切で温かい人たちだということです。家庭に入ると、本当の娘のように接してくれますし、毎日のように「I love you」と言って抱きしめてくれます。

都会の街の中でも困ったことがあれば、誰に聞いても親身になって対応してくれますし、そう言った面では不安なことは少ないです。旅をしていて一番辛いことの一つが、人に冷たくされることだと思います。その国の印象やイメージを決めるのは、やはりそこに住んでいる人間ではないでしょうか。
また、いつも明るく家族を大切にするとても幸せな国民性だと感じます。国の幸福度指数の統計は分かりませんが、「幸せですか?」と聞けば、ほとんどの人が「幸せ」だといいます。「問題は気にしないのが一番」だと言うのが、彼らの口癖です。