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ヨーロッパ最後の秘境 スバネティ地方

ジョージアでは、バツゥミ市を除き、ほぼ全ての地方を巡った私ですが、断然にオススメなのが、このスバネティ地方です。私の山好きが大きく関係しているとの言えますが、コーカサツ山脈の美しい景色と、独特なスバン文化に触れ、ジョージアの他の地域とはまた違った印象を受けました。ジョージアへ行くなら、このヨーロッパ最後の秘境と呼ばれる、スバネティ地方は欠かせない場所だと思います。

アジアのスイスと呼ばれるスバネティ地方

                  メスティアへの道中で見えるエングリダム

ジョージア最高峰のシュハラ山(標高5201m)を始めとするコーカサツの山々に囲まれたスバネティ地方。その景観の素晴らしさから、アジアのスイスとも呼ばれています。

この土地には、19世紀半ばにロシア人が統治するまで征服されることなく生活していた、スバン人と呼ばれる人たちが暮らしており、ジョージアのどの場所とも類似しない、独自のスバン文化を継承しています。また、この辺りでは日常でスバン語が使用されており、ジョージア国内でもっともロシア語が通じない土地でもあります。

ちなみにスバン語で「こんにちは」は「ホチャラダ」、「元気ですか?」は「イミジハリ?」と言います。ジョージア語では、ガマルジョバ(こんにちは)、ロゴル・ハル?(元気ですか?)なので、随分異なる言語だとお分かり頂けると思います。

ヨーロッパ1標高の高い常住村 ウシュグリ村

スバネティ地方へ来たら、訪れてみたい場所の1つにウシュグリ村があります。メスティアという場所から乗り合いタクシーで2時間半山奥に入った場所にあるこの村は、ヨーロッパ1標高の高い常住村で、標高が2,410mあります。1996年には世界遺産に登録され、スバン人集落の最も高地にあたります。

私は1日だけ村を周りましたが、ハイジが出て来そうな風景の中に、スバンの伝統が感じられる独自の雰囲気があって、どの土地にも似ていない、空気感がありました。

 

ウシュグリの塔 ”コシュキ”

ウシュグリ村やスバネティ地方全体で見られるこの”コシュキ”と呼ばれる塔は、スバネティ全体で200基あると言われています。9世紀から13世紀の間に、争いの避難所として建てられ、現在は家畜の干し草や雑穀の倉庫として使われています。私が滞在したスバネティ地方の家族の親戚の家には敷地内にこの塔があり、中に入らせてもらいましたが、とても暗くて息苦しく、敵が襲って来たときに、この中で家族が生活していたかと思うと、信じられませんでした。

スバネティ地方の景色は、このコシュキによって、他のどの土地にもない独特な雰囲気が醸し出されています。

スバネティの中心都市 メスティア

首都のトビリシからマルシュートカ(ミニバス)で約12時間(30ラリ)、飛行機で約40分(65ラリ)。標高1,500mに位置するメスティアは、スバネティ地方の中心都市です。ほとんどの観光客がこの街を拠点に滞在をしています。ホテルや宿泊施設が充実しており、ここから様々なトレッキングツアーやウシュグリ村へのアクセスが可能です。

また、スバネティ歴史民俗学博物館なども必見です。

絶景への道

メスティアはコーカサツの絶景へアクセスできる拠点でもあります。ウシュバ山の氷河が始めるところまで上がることができる、シュハラ氷河やチャラアディ氷河や、コロンディ湖など、見どころがたくさんあります。

私はメスティアから車で10分のところにある、ラタリ村で定住旅行をしていたのですが、滞在中にコロンディ湖までトレッキングしました。その日は気温も30度前後あり、さらには上りしかない山道を行き帰り8時間かけて歩きました。

周囲に誰もいなかく、標識がないので何度も迷子になりそうになりましたが、馬の背中と呼ばれるウシュバ山も綺麗に見え、天気にも恵まれ最高のトレッキングとなりました。

メスティアから、それぞれの場所へはトレッキングで行くことができますが、時間がない方は、車でもアクセスできるツアーがあるので、そちらがオススメです。