ちきゅうの暮らしかた ERIKO OFFICIAL WEB SITE

上原忠春大使に聞いた、日本とジョージア

  • 11.23.2017
  • ジョージア Georgia

こんにちは!モデル・定住旅行家のERIKOです。

日本人にはなかなか馴染みのない国の一つ、ジョージア(旧グルジア)ですが、観光地としてその人気はじわじわと急増しています。日本大使館がジョージアのトビリシにできたのは、2009年。それまでは、アゼルバイジャンから遠隔でジョージアを兼務していました。

今回、在ジョージア日本国大使館の上原忠春大使を表敬訪問させて頂き、お話を伺う機会を頂きました。

ジョージアの印象はいかがですか?

正直、ジョージアに着任するまで、この国のことをほとんど知りませんでした。現在、数ヶ月過ごした印象は、伝統を重んじていて、独自の文化がある国だと感じています。また、治安面では問題がないので、観光するにはうってつけの場所で、日本人の知らないことを刺激してくれるような国だと思います。また、この小さな国でどのようにしてこの文化や伝統、アイデンティティを維持してきたかを知ることは、日本人にとっても参考になるのではないかと思いますし、それほど魅力的な歴史を持った国だと思います。

日本とジョージアの間にはどんな関わりがあるのでしょう?

大使館ができたのは、わずか8年前のことですが、バレエの交流などを通して30~40年の関わり合いがあり、ジョージアで活躍されている日本人バレエダンサーもいます。

また、第二次世界大戦後の抑留者として、約2000人がジョージア第二の都市である、クタイシで強制収容され、手先が器用な日本人が自動車部品製造の労働を強いられていた過去があります。日本へ帰れなかった方々の慰霊碑は、首都のトビリシにあります。

また、現在大使館が行なっているジョージアでの活動は、医療機器の供与(ノンプロジェクト無償)、大気観測システム等の供与、幼稚園建物改修計画(草の根無償)、井戸建設計画(草の根無償)など様々です。

日本とジョージアは認知度を含め、まだまだ遠い国ですが、甲州のワインとジョージアのある品種のワインのDNAが同じだと聞いたことがあります。シルクロードを通って、そういった繋がりもあったのかもしれません。

日本にとってジョージアは今後、どんな国になっていくと思いますか?

ジョージアはEU統合を目指しているため、今後インフラや様々な制度をEUの規定に合わせていくと考えられます。そうなると、日本企業も進出しやすくなり、ビジネスの交流も生まれていくのではないでしょうか。
人口は400万人弱と決して多くはありませんが、首都のトビリシは100万人都市ですので、ビジネスの面でもとても面白い機会が十分にあると思います。
また、ジョージア政府は、中央アジアから黒海へ抜けるルートをロジスティックのハブにしたいとしていますので、日本企業の進出の意義が大きくなると考えています。

今後、大使館で取り組んでいかれたいことはどんなことでしょうか?

これまでの大使がご尽力された文化交流をベースに、ジョージアと日本の関係はとても良好に推移していますので、文化交流という面については今まで以上に強化していきたいと思っています。また、今年は山火事などの自然災害が多く発生しました。そういった観点から、Disaster Risk Managemant (災害リスク管理)の面でもジョージアをサポートできるのではないかと考えています。
そして、持続的な意味での支援、交流と考えると、やはりビジネスを通してのお互いの成長や経済的な部分での対話も大切にしていきたいと思っています。

現地の家庭で生活するだけではわからない、外交的な側面から見えてくるジョージアという国を上原大使がご丁寧にお話くださいました。お話の途中で、「まだほんの少しの時間しか経っていないけど、本当にこの国に来られたことが良かったと喜びを感じています」と愛情を込めておしゃられていたのをとても嬉しく感じました。

これからも大使のご活躍をお祈りしています。

インタビュー協力:在ジョージア日本国大使館