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コペンハーゲン ローンボルグ家の住まいと日常

こんにちは、定住旅行家のERIKOです。北欧デンマークの首都コペンハーゲンに暮らす、ローンボルグ夫婦の家に滞在中です。今回は彼らの住まいや日常の暮らしを見ていきたいと思います。

ライフステージによって選択する住居


ローンボルグ夫婦はもともと生まれ育った郊外のHerstedvester(ハーステッドベスター)にある一軒家に住んでいたそうですが、娘2人が独立したのと同時に、職場により近い市内で家を探していたところ、知人から好条件のマンションのオファーを聞いて現在の場所に住むことを決めたそうです。
デンマーク人は人生の節目と共に、生涯で3回以上家を移ると言われています。学生時代や若い頃はカップルや友だちなどと街中のアパートをシェアーし、子どもを持つと郊外に家を買い、老後は家を売り、アパートや高齢者住宅に暮らすといったように、人生のイベントや変わりゆく生活環境に伴って住居選びを行う人が多いです。
ローンボルグ家が暮らすマンションはグリーンランドでも主流だった、アンディールスボーリヤー(Andelsboliger)という協同組合住宅というシステムを採用しており、隣接して建つ2棟のマンションに居住する11の家と共同でマンションを運用しています。

居心地の良さを追求したデンマークデザイン


家の中は天井も高く広々としていて、リビング、キッチン、ベッドルーム、ゲストルーム、仕事部屋、バスルームに分かれています。照明器具はLouis Poulsen(ルイス・ポールセン)やBestlight(GUBI)、椅子はYstolやRo-Stolなど家具のほとんどはデンマークデザインのものが使われています。どれも高価なものですが、一度購入すると取り替えることはほとんどなく一生使われるのだそうです。
素敵な家具に囲まれた家の中にいると、穏やかな気持ちになるのですが、これも天候が優れない季節に家の中で家族や友人たちとまったり過ごすことのできる(デンマーク語でヒュッゲといいます)空間が意識されているのだと思います。
家全体に窓が多く取り付けてあり、1日中陽光が差し込みやすい設計になっています。一般的にデンマークの家の窓にはカーテンが引かれていません。夜になると近所の人の家の中までよく見えますが、デンマーク人は気にならないようです。
家の中にはセントラルヒーティングが設置されており、家全体がポカポカしていて過ごしやすいです。

10種類のゴミ分別

マンションの敷地内にはいくつものゴミ箱が設置されています。今年からゴミの分別方法が10種類に細分化されるようになったそうです。コペンハーゲンでは、意外にもリサイクルや分別が始まったのは4、5年前のことだそうで、近年で急速にルールが変更されていったのだそうです。地方によっては今でも分別せずに捨てているところもあるのだそう。


デンマークのミニハンバーグ「フリカデラ」を作るアンネさん
二人とも共働きのため、食事の準備や家事はその日のそれぞれのスケジュールによって分担し、掃除は週に一度、お手伝いさんに任せています。アンネさんは洗濯物が大の苦手なのだそうで、滞在中は洗濯好きの私が担当させてもらっていました。笑 室内干しでも低湿のため、翌日にはカラカラに乾いてくれるので、洗濯のしがいがありました。

仕事終わりの過ごし方


           シュートを打つ幼少期のアンネさん
アンネさんは彼女の母親の影響で、幼少期にハンドボールを始めました。ちなみにアンネさんの弟はデンマーク代表としても活躍されていたプロハンドボーラーでした。彼女はつい最近まで成人チームのセンターフォワードでプレーされていましが、膝の怪我をきっかけに長年のハンドボール人生に終止符を打ったのだそうです。


 最後列右から3番目がアンネさん
彼女が所属していたチームは、35歳以上が出場するヨーロッパチャンピオンシップで優勝した輝かしい功績を持っています。チームメイトにはオリンピックでデンマークを金メダルに導いたティナ・ボツァウ氏も在籍しています。
ハンドボール人生を送っていたアンネさんにとって体を動かすのは生活の一部としてあるため、仕事が終わると2日に一回、ジムでパーソナルのトレーニングを受けています。
そして寝る前にはどんなに疲れていても映画を見てからベッドに入っていました。そうすることで仕事のこと以外を考える時間を意図的に作り、精神的なバランスを取っているのだそうです。


 仲間とトレーニングするのが日課のクリスティアンさん(左)
夫のクリスティアンさんも長年ハンドボールをプレーしていたスポーツマンです。仕事が終わると、アンネさん同様にスポーツジムへ行き、主にマシーンを使ったグループトレーニングで体を鍛えています。そして約1時間のレッスンが終わると、コーチやメンバーと一緒にバーに出かけるのが楽しみの一つです。


               今でも喫煙可能な伝統的バーがたくさんあるデンマーク
デンマークの古いバーでは今でも喫煙が可能で、呼吸が苦しくなるほどタバコの煙が店内に充満していますが、そんな中で仲間たちとたわいもない会話をしながら一杯やるのがクリスティアンさんにとっての“ヒュッゲ”なのだそうです。

◎デンマークは幸福度指数が高いことでも有名ですが、デンマーク語には「幸福」に値する言葉がないのが不思議です。