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2018年 キューバ、アラカワ家の今

人生3度目のキューバへ

一度訪問した国へ再び行くかどうかは、もはやその国とのご縁というしかありません。

初めてキューバを訪れたのは、2013年の中南米縦断プロジェクトの時でした。そして、2016年は知人のビジネス視察に同行、人生3度目となる今回は、HISさんと企画した、”暮らす旅ツアー”のプログラムで再びキューバを訪れることに。

アメリカと国交が回復した時は、世界中で大きなニュースとなり、「キューバは変わってしまうのではないか」と慌ててこの国を訪れる旅人たちを見てきました。

最初にこの国へ来た時に滞在していた、ハバナ市郊外にあるアラマルに住んでいた家族は、2016年に祖国のキューバを去り、アメリカへ移住する人生を選択しました。

いい意味でも悪い意味でもなく、未だ変わることのないキューバ。

去年、カストロ議長が死去し、弟のラウル・カストロが共産党のトップとして指揮をとっていますが、今年4月に行われる選挙で、新しい政権が誕生する予定です。これまで何十年も社会主義体制を成功し続けているこの国は、これからどうなっていくのかまさに注目のときではないかと思います。

今回渡航したのは、キューバの冬に当たる2月。平均気温は25度〜30度と、私は暑くて扇風機が手放せませんでしたが、家族は「寒い、寒い」と言って長袖を着たりもしていました。

キューバの家族 アラカワ家

さて、私のキューバの家族、日系人のアラカワ家の生活はどうなっているのでしょうか。

アラカワ家は公園の前に建つ6階建てマンションの最上階にあります。入口が2つあり、2階にアラカワサダミさんの娘、フランシスさんの家族が暮らし、1階に息子のマリオさん家族が住んでいます。

 

                                     サダミさん

日系2世の83歳。毎日しっかり化粧をし、身なりを整えていて素敵な女性です。キューバでは母親はとにかく大切な存在で、世界1美しい言葉は、”Madre”(母親)と言われ、母の日には母親へ感謝を伝えるために電話回線がパンクするほど大切な存在なのです。サダミさんは家族の中心的な存在です。

 

                                       マリオさん家族

サダミさんの息子夫婦。夫婦共々文科省に勤めています。奥さんのジェリリさんは、仕事と子育て、家事を担い、朝から晩まで休む暇もなく働いています。娘の名前はおばあちゃんのサダミさんと同じ”サダミ”ちゃん。キューバでは、親や祖父母と同じ名前を付ける習慣があります。

 

                                     フランシスさん家族

同じ建物の2階にはサダミさんの娘、フランシスさん家族が暮らしています。旦那さんのロランドさんはエンジニア、フランシスさんは日本の商社に勤務しています。
娘のカロリナちゃんは去年、産婦人科の医師になったばかり。どうして産婦人科を選んだのかと聞くと、「患者の不幸より、幸せを多く見れるから」とのこと。確かにそうかもしれません。

キューバには、”嫁ぐ”と言う習慣がありません。結婚すると、夫か嫁の家が広い方に同居するのが一般的です。ですので、アラカワ家のように、3世代で一緒に暮らしていることも珍しくありません。
サダミさんから、みんなで暮らしを営んでいく中で大切なことをこう言っています。

「家族の人数が多くなり、さらに違う時代を生きている人間が一緒に暮らすと問題が起こることもあります。この家で大切にしているのは、みんながみんなを好きでいることです。これが、大家族にはとても大切で有効なことだと思いますよ」