「真冬のシベリアなんて、一番渡航を避けるべきではないのか?」

きっとこれを読んでいる読者さんもそう思ったに違いありません。私もそう思っていたし、シベリアへ向かう飛行機の中の今でも、少なからずそう思っています。

今回の最終目的地、ロシア・サハ共和国にあるオイミヤコン村までは、東京—ウラジオストク—ヤクーツク—オイミヤコンというながーい道のり。

このオイミヤコンという村は、知る人ぞ知る、世界で人間が居住する場所としては一番寒い村です。
これまでに記録した最低温度はなんと、−71.2℃。1月末の平均気温は、−50℃前後といったところ。

想像してみて下さい。みなさんの家庭にある冷凍庫は−20℃。それより温度が低いと、一体どうなってしまうでしょう。

私自身、これまでに体験した最低温度は、ネパールのヒマラヤ、メラピークの6400mで−25℃前後(上写真)、真冬のエベレストの頂上は-41℃(風が強いので体感はもっと寒い)。正直、その時は登山に夢中で実感として寒かったとかは覚えていません。しかし、凍傷というお土産を持って帰ってきたほど。

凍傷は一度かかるとかかりやすくなるようで、事前に医者からユベラ軟膏というビタミンEの塗り薬を処方してもらいました。

さてさて、そもそもどうしてオイミヤコン村に興味を持ってしまったのか。きっかけとなった出会いは、1年前に遡ります。

探検家の関野吉晴さんを通して、ロシアのチュクチ族という民族がいることを知りました。
彼らの暮らしを知って、体感してみたい、いつか行ってみたいとずっと思っていました。
しかし、交通手段のない極寒のシベリアでの移動は、ヘリコプターしかないということを関野さんに教えてもらい、予算を考えひとまず保留にしました。

 

その後、私のロシア人の友人ガーリャを介して、NA Travel Solutionの東さん(上写真)という方を紹介してもらったのです。ロシア人に日本人を紹介してもらうという面白い流れですが、初めてお会いさせてもらったのが、今から約1年前のこと。
東さんの専門は、もともとブルガリアですが、ロシアをはじめとする、旧ソ連に関する国に詳しく、さらには現地の人もよく知ってる、まさにスペシャリストの方でした。

東さんにお目にかかった時、
「オイミヤコンはどうでしょう?おすすめですよ」
と進めてくれたのが今回の渡航のきっかけとなったのです。

私は当初、春頃に行きたいと話していましたが、
「せっかくなら、一番寒い時期に行くのをオススメします。どちらにしても一生に一度ですから」と、
いつも丁寧な言葉遣いをされるのですが、言うことはかなりパンチが効いています。

結局、この言葉に後押しされて、私は今飛行機の中というわけなのです。

ネパールのヒマラヤ登山を勧めてくれたサラリーマン登山家の大山さんにしろ、東さんにしろ、言葉の力を持っている人の発言は、こうも人の心を動かすものかと感心してしまいます。

と、いう訳で、普段みなさんが旅行先に選ぶ都市No.100に絶対入らない、オイミヤコン村目指して、今年の定住旅行はじまり、はじまり〜!

こうやって書いている間に、もうウラジオストクです!東京から2時間半なんて、近すぎて心の準備が・・・