「ERIKO、昨日は夢見た?」イリーナさんが起きてそうそう私に質問。

「見たと思うけど、覚えてない。なんで?」

「ロシアでは新しい場所で寝て、その夢に出てきた男性と結婚するって言い伝えがあるの」

「えー!」
内心、よく旅行に行く人や出張が多い人は、何人と結婚することになるんだろうと思ったが、出ましたロシアの言い伝えシリーズ。続々出てきます。

 

骨の道をひた走る

オイミヤコン村までの道のり2日間目です。
朝9時半に昨日泊まったハンディカ村を出発して、オイミヤコン村までひたすらタイガに囲まれた道をひた走ります。昨日までは車の中も暖かかったものの、外気-40℃以下の今日は、ドアから冷たさがじわじわ染み込んできて、足元が冷えます。

それなのに、ドライバーのルスランさんは、Tシャツと薄手のジャンパーのみ。

「今日は本当に冗談じゃなく寒いから、もう着込んだ方がいいよ!」と言っても、

「はいはい、-50、60℃でしょ。知ってますよ」とかなり投げやりな様子。

恒例となった大地にサムサ(ヤクート伝統のパン)を与えるお祈りをして、いざ出発!

雪が木々に張り付いたタイガの森の中に出来たまっすぐな一本道。まさにおとぎ話に出てくる風景です。
写真を撮るために外へ出るのですが、その数分だけで体がかなりのエネルギーを消費しているのが、すぐ眠気に襲われることでわかります。

残酷な歴史

このおとぎ話の道、実は残酷で恐ろしい歴史がありました。

ハンディカ村からマガダニ村まで続くこの2,000kmの道は、通称“骨の道”(Дорога на костях)と呼ばれています。

その昔スターリンが作った、グラッグと呼ばれる強制労働をさせる仕組みがありました。この道は、スターリンが金鉱山へのルートを開拓するため、何万人という人たちが過酷な労働を強いられ、亡くなった場所なのです。

作業中に亡くなった人は、そのまま凍結した道路の下に埋められたことから、たくさんの骨が埋まっている、“骨の道”という名前がついたのです。
(この詳しい歴史は、タムトルガ村にある博物館で見ることができます)

 

この美しすぎる風景は、その歴史の虚しさを一層引き立てるようです。

午後20時。いつも間にか時差が+1時間になっていました。
我々はついに、目的のオイミヤコン村に到着。現在の気温、-55℃!これから、世界一寒い村での生活が始まろうとしています。